２月23日、今年のJRA・ＧⅠ開幕を告げるフェブラリーステークス（東京・ダート1600ｍ）が行なわれ、単勝２番人気のコスタノヴァ（牡５歳／美浦・木村哲也厩舎）が優勝。２着には後方から進んだ５番人気のサンライズジパング（牡４歳／栗東・音無秀孝厩舎）が突っ込み、３着には中団から伸びた１番人気のミッキーファイト（牡４歳／美浦・田中博康厩舎）が入った。昨年覇者で４番人気のペプチドナイル（牡７歳／栗東・武英智厩舎）は４着、３番人気のエンペラーワケア（牡５歳／栗東・杉山晴紀厩舎）は５着に終わった。
【動画】平地GⅠ初の女性騎手が頂点に！フェブラリーSで魅せた見事な手綱さばき

　土曜日の未明までサウジアラビアで開催されたイベント『インターナショナルジョッキーズチャレンジ』に参戦し、速攻で日本へ戻る強行軍をこなしたレイチェル・キング騎手。ＧⅠ初挑戦となるコスタノヴァを導く彼女の手綱さばきが冴え渡った。

　好スタートをきったペプチドナイルが控えると、それに替わってミトノオー（牡５歳／美浦・牧光二厩舎）らが逃げ争いを演じ、コスタノヴァはその直後の４～５番手をすんなりとキープ。最終コーナーで先行勢の外へと進路を取って向いた直線では、坂下からじわじわと前との差を詰める。

　そして、坂上で先頭に躍り出て渾身のアクションでラストスパートに入ると、最内を突いて猛追するサンライズジパングを3/4馬身抑えてゴール。愛馬にＧⅠタイトルをプレゼントすると同時に、自身も女性騎手としてJRA史上初の平地ＧⅠ制覇という偉業を成し遂げた。
  　豪州でＧ１レース５勝を挙げているキング騎手は、2023年の『ワールドオールスタージョッキーズ』参戦のため初来日。１勝を挙げて総合２位となり話題をまいた。翌2024年の１月から短期騎手免許制度を利用して再来日し、その間にAJCC（ＧⅡ、チャックネイト）と東京新聞杯（ＧⅢ、サクラトゥジュール）を制覇。今年も１月から短期免許で来日し、サクラトゥジュールで年始の京都金杯（ＧⅢ）を勝っていた。日本で本格的に滞在騎乗した女性騎手として最高の腕利きと言ってよいだろう。

　キング騎手の好サポートもあって快勝したコスタノヴァは、ここまで５戦５勝という飛び切りの東京ダート巧者。２歳12月のデビュー戦は11着に大敗したが、翌年３月の未勝利戦で初勝利を挙げると、１勝クラスを連勝。２着を挟んで、さらに３連勝を重ねてオープンクラスも突破した。

　そのあと、初の重賞挑戦となったクラスターカップ（JpnⅢ、盛岡・ダート1200ｍ）は距離も合わなかったのか６着に敗れるも、今年２月の根岸ステークス（ＧⅢ、東京・ダート1400ｍ）では中団から豪快に突き抜け、２着に４馬身差をつける圧勝を飾って一気に評価を高めていた。