レース後、同馬を管理する木村哲也調教師からは「いつでも種馬にしたいと思っているのですが、まだダメだと言われているので、今後はオーバーホールさせたいです」という驚きのコメントがあったようだが、素質が開花したばかりの印象が強いコスタノヴァ。サウジアラビアへ遠征したダートのトップ・オブ・トップとの対戦を楽しみに待ちたい。

　２着に食い込んだサンライズジパングも、鞍上の幸英明騎手の好騎乗が光った。道中は距離ロスを抑えてインにコースを取り、直線でも内ラチ沿いに空いた１頭分のスペースを突いて末脚を伸ばして勝ち馬に3/4馬身差まで迫った。音無秀孝調教師は定年を控えて、これが最後のＧⅠ参戦となったが、本馬は現地２月22日に行なわれた世界最高賞金レースであるサウジカップ（Ｇ１、ダート1800ｍ）を回避して敢行したもの。陣営のメイチの仕上げと、鞍上の高度な技術が組み合わさっての好走となった。そして本馬はまだ４歳で、これからのさらなる躍進に望みが広がった。

　３着のミッキーファイトも４歳馬。今回は外を回らされたうえ、下がってくる馬を捌くのに手間取ったため、上位２頭の巧みなレース運びの前に敗れた形だが、これからのダート戦線を盛り上げる１頭となることは疑いない。
  　一方、残念だったのは４着となったペプチドナイル。絶好のスタートを切りながら、位置を中団まで下げたのだが、これがアダとなった。レースは1000ｍの通過が59秒４というミドル～スローペースとなったため、末脚の切れでは他の有力馬に劣る本馬にとっては明らかな不利に。結果論ではあるが、スタート後、あのまま行かせていれば「勝ち負け」に持ち込めたのではないか、との思いが残る。

　また、３番人気に推されたエンペラーワケアはコスタノヴァと同じような位置を進んだが、じりじりとしか伸びず０秒５差の５着に終わった。手綱をとった横山武史騎手によると、「1400ｍでも掛かるくらいの馬が、1600ｍのスローペースでも促しながらの追走になりました」とのことで、３か月の休養明けが何らかの形で影響したのかもしれない。こちらもダート重賞２勝の実績も含め、見限るのはまだ早計。次走以降の走りを注視していきたい。

文●三好達彦

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