格闘技・プロレス

戦慄が走った井上尚弥の“凄み” 米大手プロモーターが「野獣」と称したTKO決着の瞬間

THE DIGEST編集部

2025.05.09

井上は4年ぶりとなるラスベガス決戦でTKO勝利を飾り、会場は大きな盛り上がりをみせた。写真提供:Prime Video (C) NAOKI FUKUDA

 現地5月4日、プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が米ラスベガスで行なわれたWBA世界同級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦で8回TKO勝利を飾った。会場のT-モバイル・アリーナは熱狂し、激闘を間近で見届けた米プロモーターはモンスターの凄みに戦慄が走ったようだ。
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 井上は初回からジャブを出して間合いをとりながら、ガードの堅いカルデナスを攻め立てる。だが2回に挑戦者が放ったカウンター気味の左フックを受け、まさかのダウンを奪われた。東京ドーム開催だった昨年5月のルイス・ネリ戦以来となるプロ2度目のダウンに会場は騒然とした。

 しかし、次第にペースを握った井上は多彩な攻撃でカルデナスを翻弄。3回以降は着実にダメージを蓄積させ、試合の主導権を完全に掴んだ。

 そして7回、ゴング開始から仕留めにかかった井上は、左右のボディでカルデナスをグラつかせる。相手の反撃を受けつつも、決定打は許さない井上は強打の右を連発させ、ついにダウンを奪う。会場のボルテージがさらに上がった8回、井上の鋭い右ストレートがカルデナスの顔面に入り、コーナーまで吹っ飛んだ。勝機を逃さないモンスターの猛ラッシュが襲い、カルデナスは防戦一方。たまらずレフェリーが試合を止めた。
 
 4年ぶりの"聖地"凱旋で世界戦通算23KOを達成。伝説の世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)を超え、歴代最多記録を77年ぶりに更新した日本人ボクサーのファイトは現地関係者に大きな衝撃を与えた。米興行大手『Top Rank』社は、カルデナスを葬った井上の圧倒的な強さに敬意を込め、「BEAST(野獣)」と表現。公式SNSに「ナオヤ・イノウエは、こうしてショーを終えた」と称え、モンスターが成し遂げたTKO決着の瞬間を添えた。

 世界的な注目を集めたラスベガスでのメインイベント。日本が誇る怪物は米国のファンが、メディアが待ち望んだ絶対的な強さを己の拳で証明した。

構成●THE DIGEST編集部

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