レッドブルの角田裕毅は、F1第10戦のカナダ・グランプリで12位に終わり、3戦連続のノーポイントとなったが、レース前日のフリー走行3回目で違反によって10グリッド降格を科されたことが大きな痛手となった。
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マクラーレンのオスカー・ピアストリがクラッシュして赤旗が出た際、そのまま走行を続けた彼を追い抜いたことでペナルティーを受けた角田。「追い抜く正当な理由はなかった」と判断したスチュワードに対し、「馬鹿げたペナルティー」と不満を露にした彼は、「デブリを避けるための行為だった」と、自身の動きに不適切なものはなかったと強調している。
これに対しては、今なお賛否両論が渦巻いているが、オランダの公共放送『NOS』のアナリストの間でも意見は分かれ、同国の元ドライバーであるジェロエン・ブリークモレン氏は、「赤旗の時には注意が必要だ。ペナルティーは重いが、それも今のF1だ。全てが精密に分析され、何度も映像を確認される。違反していれば、それは違反となる」と、下された判定を支持した(オランダのF1専門メディア『F1MAXIMAAL.NL』より)。
対して、元F1エンジニアのアーネスト・クノールス氏は、「ルールは重視するし、基本的に赤旗中の追い越しが許されないというのにも同意するが、角田が追い越したのはピアストリだった。もし彼の後ろに留まって、パーツが飛んできていたら、事故になる可能性もあった」と述べ、角田の判断は安全を優先した合理的な選択だったとの見解を示している。
同氏はまた、2009年のハンガリーGPで予選中に他車のパーツ(スプリング)が後ろを走るフェリペ・マッサのヘルメットを直撃して命に関わるほどの怪我を負ったアクシデントを例に出し、「あの事故を思い出してほしい。損傷した車の後ろを走るのは危険だ」と指摘して「(統括機関の)FIA(国際自動車連盟)はもう少し寛容でも良かったはずだ。ペナルティーは重すぎた」と主張。これにブリークレモン氏も、「ル・マンでも、前を走る車が黄旗中にスロー走行していたら追い越すのは当たり前だ」と付け加えた。
また両氏は、今季のレッドブルの問題にも言及し、ともに「最も重要なのはドライバーではなく、車である」と分析。クノールス氏は「コンストラクターズ・チャンピオンシップはもう諦め、車を改善することに集中するべきだ。そうすることで、マックス・フェルスタッペンはもちろん、セカンドドライバーにとっても助けになる。何かが上手くいかないと、すぐにドライバーを代えたがるものだが、問題の本質を取り違えれば、誰を乗せても同じだ」と意見を述べている。
彼はさらに続けて、「大事なのは、車を扱いやすくすること。そうすればセカンドドライバーも、より良いパフォーマンスが発揮できる。今の段階で、角田を切っても意味がない。技術的な立て直しに集中すべきだ。それこそがチャンピオン争いに戻る鍵となる」。そして、「今、最も深刻に考えるべきは、車そのものだ」と繰り返した。
「RB21」の改善を最優先課題とすべきというのは、他の有識者もほぼ同じ考えだが、モータースポーツ・ジャーナリストで、フェラーリやウィリアムズでチームマネジャーも務めたピーター・ウィンザー氏は、「レッドブルが気にしているのはただひとつ、フェルスタッペンがそれを乗りこなせるかどうかだ」と語り、「角田が上手くドライブできるかどうかは関係ない」と言い切っている。
また元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤも、「レッドブルの車は、世間が思っているほど悪くないと思う。『RB21』は、マックスのために作られた車だ。扱いやすいとは言えないが、マックスが求めることにはしっかり応えてくれる」と語っており(英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH』より)、ここからも改めて角田が極めて厳しい環境に置かれていることが窺える。
ただ、F1で7勝を挙げたこのコロンビア人は、次戦のオーストリアGPについては「レッドブルは、オーストリアでは間違いなく強い。トラクションはある程度必要だが、そこまで極端じゃない。日本(鈴鹿サーキット)のように流れるような長いコーナーが多く、『RB21』の得意とするレイアウトだ」と語っており、これは角田にとっても好材料となる可能性があるだろう。
構成●THE DIGEST編集部
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マクラーレンのオスカー・ピアストリがクラッシュして赤旗が出た際、そのまま走行を続けた彼を追い抜いたことでペナルティーを受けた角田。「追い抜く正当な理由はなかった」と判断したスチュワードに対し、「馬鹿げたペナルティー」と不満を露にした彼は、「デブリを避けるための行為だった」と、自身の動きに不適切なものはなかったと強調している。
これに対しては、今なお賛否両論が渦巻いているが、オランダの公共放送『NOS』のアナリストの間でも意見は分かれ、同国の元ドライバーであるジェロエン・ブリークモレン氏は、「赤旗の時には注意が必要だ。ペナルティーは重いが、それも今のF1だ。全てが精密に分析され、何度も映像を確認される。違反していれば、それは違反となる」と、下された判定を支持した(オランダのF1専門メディア『F1MAXIMAAL.NL』より)。
対して、元F1エンジニアのアーネスト・クノールス氏は、「ルールは重視するし、基本的に赤旗中の追い越しが許されないというのにも同意するが、角田が追い越したのはピアストリだった。もし彼の後ろに留まって、パーツが飛んできていたら、事故になる可能性もあった」と述べ、角田の判断は安全を優先した合理的な選択だったとの見解を示している。
同氏はまた、2009年のハンガリーGPで予選中に他車のパーツ(スプリング)が後ろを走るフェリペ・マッサのヘルメットを直撃して命に関わるほどの怪我を負ったアクシデントを例に出し、「あの事故を思い出してほしい。損傷した車の後ろを走るのは危険だ」と指摘して「(統括機関の)FIA(国際自動車連盟)はもう少し寛容でも良かったはずだ。ペナルティーは重すぎた」と主張。これにブリークレモン氏も、「ル・マンでも、前を走る車が黄旗中にスロー走行していたら追い越すのは当たり前だ」と付け加えた。
また両氏は、今季のレッドブルの問題にも言及し、ともに「最も重要なのはドライバーではなく、車である」と分析。クノールス氏は「コンストラクターズ・チャンピオンシップはもう諦め、車を改善することに集中するべきだ。そうすることで、マックス・フェルスタッペンはもちろん、セカンドドライバーにとっても助けになる。何かが上手くいかないと、すぐにドライバーを代えたがるものだが、問題の本質を取り違えれば、誰を乗せても同じだ」と意見を述べている。
彼はさらに続けて、「大事なのは、車を扱いやすくすること。そうすればセカンドドライバーも、より良いパフォーマンスが発揮できる。今の段階で、角田を切っても意味がない。技術的な立て直しに集中すべきだ。それこそがチャンピオン争いに戻る鍵となる」。そして、「今、最も深刻に考えるべきは、車そのものだ」と繰り返した。
「RB21」の改善を最優先課題とすべきというのは、他の有識者もほぼ同じ考えだが、モータースポーツ・ジャーナリストで、フェラーリやウィリアムズでチームマネジャーも務めたピーター・ウィンザー氏は、「レッドブルが気にしているのはただひとつ、フェルスタッペンがそれを乗りこなせるかどうかだ」と語り、「角田が上手くドライブできるかどうかは関係ない」と言い切っている。
また元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤも、「レッドブルの車は、世間が思っているほど悪くないと思う。『RB21』は、マックスのために作られた車だ。扱いやすいとは言えないが、マックスが求めることにはしっかり応えてくれる」と語っており(英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH』より)、ここからも改めて角田が極めて厳しい環境に置かれていることが窺える。
ただ、F1で7勝を挙げたこのコロンビア人は、次戦のオーストリアGPについては「レッドブルは、オーストリアでは間違いなく強い。トラクションはある程度必要だが、そこまで極端じゃない。日本(鈴鹿サーキット)のように流れるような長いコーナーが多く、『RB21』の得意とするレイアウトだ」と語っており、これは角田にとっても好材料となる可能性があるだろう。
構成●THE DIGEST編集部
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