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ラグビー

【大西将太郎のラグビーW杯展望】優勝候補はNZ、南アフリカ、ウェールズ。「史上最強日本」の目標はベスト8の先だ

吉田治良

2019.09.18

大西氏が推すのは、継続的な強化が実を結んでいるウェールズだ。ただし、シックスネーションズを制した国は、その年のW杯で優勝できないというジンクスも。写真:GettyImages

大西氏が推すのは、継続的な強化が実を結んでいるウェールズだ。ただし、シックスネーションズを制した国は、その年のW杯で優勝できないというジンクスも。写真:GettyImages

 勝負のカギを握るのは、やはりコンディショニングなど大会に向けた準備がどれだけ上手くできるか。その点で言うと、南半球の国は少し有利かもしれません。スーパーラグビー(NZ、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、日本の5か国、計15のクラブチームで行なわれる国際リーグ戦)の試合で来日する機会が多いですし、それに日本でプレーする、あるいはかつてプレーしていた選手も少なくないからです。環境面、とりわけ高温多湿な日本の気候に少しでも慣れているのはアドバンテージでしょう。

 ただもちろん、先ほど挙げたウェールズ、日本のことを知り尽くすエディーさん(エディー・ジョーンズHC/前日本代表HC)に率いられたイングランド、それからアイルランドといったヨーロッパ勢も侮れません。ウェールズとアイルランドには優勝経験がなく(イングランドは優勝1回)、とくにアイルランドはベスト8の壁を突破したことさえありませんが、この両国は前回のW杯から停滞も後退もすることなく、着実に前進してきましたからね。いずれも今大会を最後にHCが勇退することが決まっていて、その花道を飾ろうとチームが一致団結する可能性は大いにあるでしょう。
 ベスト8の顔ぶれを予想すれば、NZ、ウェールズ、アイルランド、イングランド、南アフリカ、オーストラリア、フランス、アルゼンチン、スコットランドというティア1の強豪国に、開催国の日本を加えた10チームにチャンスがあるのではないでしょうか。

 北半球がウェールズなら、南半球では南アフリカに注目しています。今年のRCで初優勝を飾るなど上り調子で、自分たちのスタイルというものを確立した感がありますから。NZと引き分けた強さは本物でしょう。

 先ほど、大会前の準備が大切だと言いましたが、当然ながら「初戦」も重要なポイントです。その初戦で南アフリカとNZが、引き分けに終わったRCの決着をつけるべく〝再戦〞するわけです。大会2日目の横浜国際総合競技場はきっと超満員になるでしょうが、この一戦に限らず、大会の入り方というのは、その後の戦いにも大きく影響を及ぼしてくるものなんです。

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