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ラグビー

【大西将太郎のラグビーW杯展望】優勝候補はNZ、南アフリカ、ウェールズ。「史上最強日本」の目標はベスト8の先だ

吉田治良

2019.09.18

目標はベスト8ではなく、その先。キャプテンのリーチ・マイケルの元、史上最強の日本代表として戦う。写真:茂木あきら(ラグビーダイジェスト)

目標はベスト8ではなく、その先。キャプテンのリーチ・マイケルの元、史上最強の日本代表として戦う。写真:茂木あきら(ラグビーダイジェスト)

 もちろん、日本にとってもロシアとの初戦がとにかく重要であることは言うまでもありません。ここで勝つか負けるかは、間違いなく大会全体の盛り上がりにも関係してきます。是非とも勝って、多くの日本人が「私もラグビーの話題についていかなきゃ」、「みんなと一緒にラグビーで盛り上がりたい」と思えるような雰囲気を作り出してほしいですね。

 さて、その日本代表ですが、どこまで勝ち上がれるでしょうか。ベスト8の候補に名前を挙げたように、現在のチームは間違いなく「史上最強の日本代表」だと私は思っていますし、自国開催でファンの声援を力にできれば、初の8強入りはもちろん、「それ以上」だって不可能ではないはずです。なにしろ、最新の世界ランキングで、過去最高の9位にまで浮上したチームですから。

 キャプテンのリーチ(マイケル)選手も、「〝目標はベスト8〞という言葉は好きじゃない」と話していましたが、まさにその通りで、ベスト8を到達点に設定してしまうと、もちろんそれは歴史的な快挙ではあるんですが、「その先の景色」が見えにくくなってしまう。だから、本気で優勝を狙うくらいの気持ちで大会に臨んでほしいし、それを口にしてもおかしくないレベルに、現在のチームは仕上がっていると思っています。
 7月末から8月初旬にかけて、フィジー、トンガ、アメリカを相手に3連勝を飾り、パシフィックネーションズカップを制したチームを見て、「ピークを持ってくるのが早すぎたのでは?」との声も聞こえてきます。しかし、今のチームの雰囲気を見ていると、選手たちはここがピークだとはまったく考えていないようです。フィジーのような難敵にも、〝普通に〞勝てていましたからね。

 ひとつ、これまでの大会との大きな違いは、「スーパーラグビーの戦いを経験した後の初めてのW杯」だということです。前回の05年大会以降、コンスタントに海外のチームと試合する機会を得て、あるいはタフな遠征を経験することで、選手個々がフィジカルとメンタルの両面で成長し、強豪国との距離を縮められた。ですから今回は、スーパーラグビーに参戦した重みというものが、はっきりと分かる大会になるんじゃないかとも思っています。

 また、開催国として強化に力を入れたこと、そして多くの国が日本で一度試合をしておきたいと望んだこともあって、この4年間は強豪国とのテストマッチが多く組まれ、その中で得られた自信も大きかったでしょう。

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