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【フェブラリーS】二枚看板不在のレースを制すのは?「上位」予想は5頭、穴馬はソリストダンサー

三好達彦

2021.02.21

 ここからは6歳以上のベテラン勢から3頭に目を移してみる。

 昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ、盛岡・ダート1600m)を1分32秒7という驚異的な日本レコードで制したアルクトス(牡6歳/美浦・栗田徹厩舎)は東京コース巧者。8戦5勝(2着1回)という数字がその事実を表している。その後、チャンピオンズカップは距離の壁もあってか9着に、今年1月の根岸ステークス(GⅢ、東京・ダート1400m)は4着に敗れているが、栗田調教師は前走後の調整過程の順調さと体調の上昇を感じ取っているという。昨年9着に敗れた舞台でのリベンジを果たせるか(ちなみに筆者はアルクトスを軸に馬券を組み立てる予定である)。

 7歳のサンライズノヴァ(牡7歳/栗東・音無秀孝厩舎)は、19年のマイルチャンピオンシップ南部杯を制した古豪。昨年も夏のプロキオンステークス(GⅢ、阪神・ダート1400m)と、秋の武蔵野ステークス(GⅢ、東京ダート1600m)を強烈な追い込みで制している。コンビの松若風馬騎手は、「年を経るごとに力強さが増している」と、年齢的な衰えがないことに嬉しい驚きを感じているという。逃げ・先行馬が多く、ハイペースで流れそうな今年のレース、オーバーペースになれば、浮上するのはこのベテランだろう。

 インティ(牡7歳/栗東・野中賢二厩舎)は、19年の本レース勝ち馬。平均ペースで逃げたチャンピオンズカップは3着に粘り込んだが、ハイペースになった東海ステークスでは逃げバテて12着に大敗。要は、逃げられるペース次第というのがキーポイント。今回は逃げ・先行脚質の馬が大井だけに、インティにとっては厳しい流れになりそうだが……。
 
 筆者が注目する穴馬を1頭挙げるなら、米GⅠ勝ち馬トビーズコーナーの仔、ソリストダンサー(牡6歳/栗東・高柳大輔厩舎)。昨年の夏から成績がグッと安定し、重賞初挑戦となった武蔵野ステークスでサンライズノヴァの僅差2着に健闘。続く門司ステークス(OP、小倉・ダート1700m)では58㎏を背負いながら4コーナー先頭から押し切る強い競馬で快勝。すっかり軌道に乗った印象だ。逃げても差してもOKという自在性も武器で、混戦・乱戦となったときに浮上するのがこのタイプ。実際は6歳のベテランなので少しおかしな表現にはなるが、“先物買い”の感覚で1票を投じる価値もあるのでは?

 最後に、2月末で引退することが決まっている角居勝彦調教師(栗東)にとって、今回のフェブラリーステークスが“ラストGⅠ”となる。ワイドファラオ(牡5歳)とともに、最後の晴れ舞台に立つ世界的名伯楽の姿を目に焼き付けてほしい。

文●三好達彦
 

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