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格闘技・プロレス

【共同通信杯】強烈なインパクトを残したエフフォーリアの圧勝劇。今後は皐月賞へ直行のプラン

三好達彦

2021.02.15

2馬身半差の圧勝劇を収めたエフフォーリアと横山武史騎手。写真:産経新聞社

2馬身半差の圧勝劇を収めたエフフォーリアと横山武史騎手。写真:産経新聞社

 2月14日、クラシックに直結する3歳重賞、共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)が行なわれ、単勝4番人気のエフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が勝利を収めて、無敗での重賞制覇を達成。来たるクラシック一冠目の皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)の有力候補として名乗りを上げた。

 観るものに強烈なインパクトを残すエフフォーリアの圧勝劇だった。

 素早いスタートから先団の好位置をキープ。スローな流れを折り合って進み、余裕のある手応えで直線へ向くと、後続が仕掛けるのを待ってゴーサインを出す。すると力強いフットワークで前を飲み込み、さらには後続をグングン突き放して、ゴールでは2着のヴィクティファルスに2馬身半という決定的な差を付けたのである。

 落ち着き払った手綱さばきでパートナーを勝利へと導いた横山武史騎手は、「返し馬からリラックスしていて、この馬の能力は発揮できるなという自信がありました」と胸を張る。さらに「デビュー前からすごくいい馬だという感触があって、期待が大きかった。重賞を勝つことができたので、次はGⅠを勝てるように頑張りたいです」と、若武者らしい大望を語った。
 
 この馬の父は昨年、無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクトを出したエピファネイア。母系は”女傑”として鳴らしたヒシアマゾンを輩出したケイティーズ(Katies)系と、血統的にも申し分ない。また、スローな展開ながら1分47秒6という走破タイム、33秒4を計時した上がりの速さとも、相当に優秀なもの。陣営はこのあと短期放牧を経て皐月賞へ直行するプランを描いているという。楽しみなクラシック候補が誕生したと言っていい。

 気になるのは、単勝1番人気に推されながら5着に敗れたステラヴェローチェ(牡3歳/栗東・須貝尚介厩舎)。レース後、須貝調教師は敗因分析について明確なコメントを避けたようだが、客観的事実とレースぶりからいくつかの要因は考えられる。一つは斤量が他の牡馬より1㎏重い57㎏であったこと。ただそれよりも、走りに力みが見える、あえて言えば”かかる”様子が見られたこともあるだろう。また道中、ずっと内と外から挟まれていたストレスや、直線で何度か前が詰まり気味になる様子も見て取れた。これらの複合的な要素が絡み合っての敗戦だったのではないか、というのが筆者の推察である。
 

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