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格闘技・プロレス

「義足をつけてどこまでできるか」右足を切断した“不屈の荒武者”谷津嘉章がリングで描く夢「今燃えなくちゃいけない」

THE DIGEST編集部

2021.04.27

真新しい義足を装着する谷津。その表情からは明るさが見て取れる。(C) CyberFight

真新しい義足を装着する谷津。その表情からは明るさが見て取れる。(C) CyberFight

 全くの不安がないわけではない。「今は気勢を上げてますけど、実際やったらどうなのか、一抹の不安があったり、それはどんな人にもあると思うんです」と語る谷津は、それでも「やらなきゃいけない」と闘志を燃やした。

「こんな素晴らしい義足を提供していただいたわけですから、義足のポテンシャルに負けないくらいやらないといけないと思います。そういう意味では、バトルロイヤルでは物足りないんですけど。手始めはやさしくとおっしゃってもらったんで、自分の技をお見せしたいと思っております」

 この闘いへの思い入れは自分ためだけでなく、周囲への感謝をこもっているからこそ熱い。「自分が目標に向かって前進していくのみです。そういうのに何か感じてくれる人がいればいいな」とこぼした谷津は、こう宣言した。

「自分が前進するためには、いろんな方のサポートと協力がないとできませんので。こういうチャンスを与えていただくということは、技術面も含めて、リングも提供していただいて、ここまで一人で来れませんので。そういった仲間たちすべてに感謝です。そういうのがうまく伝わっていけばいいと思います」
 
 折れそうになっても諦めなかった壮大な夢が実現しようとしている。それだけに「今燃えなくちゃいけない。この現状で燃えないと、燃焼しないとダメなんです」と谷津は続ける。

「自分も新人じゃないわけですから、自分のイメージで、この義足を使ってどういうふうに出るかなというのは何回もテストしてますんで。たぶんパフォーマンスは相当できるかなと思ってます。いろんなことをやって不具合が生じたら、またさらに義足ももっと進化すると思います。

 あとは糖尿病をもってますんで、兼ね合いですね。そのうち、もう一足なくなっちゃったら厳しいから。今燃えなくちゃいけない。後から燃焼しても遅いので。この歳になって、記者会見までやってもらったのは、自分にとって最大の思い出になるし、精いっぱいやらせてもらいます」

 会見終了後、居合わせた大家健(ガンバレ・プロレス)を実験台に、ロックアップからヘッドロック、義足でストンピングを繰り出し、上々の動きを見せた谷津。当日にどんな技を繰り出すのか。楽しみだ。

文●どら増田

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