そんな里村は今年１月に、アメリカが世界に誇るプロレス団体「WWE」と契約。現在は、英国に拠点を構えるNXT UKでも試合をしているが、「WWEでの活動では、あまりGAEAISMは意識していません。里村明衣子のプロレス道の途中です」と語っている。

　GAEAISMが終わると、仙女の6.27新潟大会を経て「イギリスに移住する」という。理由は、「WWE NXT UKに集中するため」だが、「今はリモートで世界中で仕事が出来ますから、常に仙女の団体管理には目を配ります。時期が来たら日本でも試合をします」と、いずれはまた日本で試合をする考えがあるようだ。

　イギリス移住前、最後の国内マッチとなる6・27新潟市体育館大会は、年に一度、地方で開かれるビッグマッチだ。それだけに里村も「地方でビッグマッチを定着させることを地方発信団体（仙女）として大事なポイントとしています」と位置付ける。

　里村が「今年は難しいですが、全国各地から新潟や仙台のビッグマッチのために足を運んでもらう事が嬉しい」と興奮気味に話すのも無理はない。なにしろメインイベントは、里村明衣子＆鈴木みのるvs高橋奈七永＆新崎人生。さらに「センダイガールズワールドジュニアチャンピオンシップ選手権」として、チャンピオンのマーベラス星月芽依と岡優里佳によるタイトルマッチも決定。他にも大物ゲストが参戦予定なのだ。
  　一方、GAEAISMも話題性は尽きない。メインイベントでは、仙女とマーベラスによるAAAWと仙女のタイトルの管理権争いが決定している。里村は過去に「仙女の代表として勝てば、AAAWのベルトを神棚に飾る」と話していたが、その考えは揺るぎない。

「GAEAのAAAWのベルトは過去の栄光。勝ったら神棚に飾らせていただきます。ただ、遺伝子は引き継がれていて、途切らせてはいけない。私はGAEAが解散直後の低迷した女子プロレス界を生きてきた。６日の新木場大会で橋本が仙女のタイトルの権利もかけると発言していましたが、橋本は二冠王者なので意見を尊重しますよ。“現在”の最高峰も懸けますよ、ということだと思う。13日の大田区体育館、メインは仙女の全てを懸ける覚悟ということです。過去も未来も仙女が勝って繋げます」

　大会当日は「GAEA JAPAN、長与千種さんから自立した里村明衣子を見ていただきたい」と意気込む里村は、最後にこう宣言した。

「しばらく離れていたGAEAファンの方に、現在の女子プロレスを見てもらいたい。GAEA入団時から全く変わらないことは、『GAEAに入団して良かった』ということ。今がプロレスキャリアとしても最高の里村明衣子です。感謝の気持ちを込めて13日はリングに上がります」

取材・文●どら増田