専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

女子ゴルフ最終戦で起こったドラマ。一度は諦めた稲見萌寧の賞金女王と、三ヶ島かなが決めた2年越しのリベンジ

山西英希

2021.11.29

古江(左)とハグを交わす三ヶ島(右)。初優勝は2位以下に4打差をつける完勝となった。(C)Getty Images

古江(左)とハグを交わす三ヶ島(右)。初優勝は2位以下に4打差をつける完勝となった。(C)Getty Images

「ショットの調子が悪ければ見てもらえますからね」と大会前は語っていたが、いざ初日を迎えると、予想以上に自分のゴルフをできないことに気がついた。

 しかも、肝心の奥嶋コーチとのコンビネーションも上手くいかない。「私が挫けちゃって、コーチも何をしていいのか分からない状態だったと思います」と珍しく弱音を吐いた。25位タイと出遅れ、2日目はパープレーで回ったものの、23位タイに順位を少し上げただけだった。

 しかし、その夜に奥嶋コーチにLINEを通じて、残り2日間はお互いの意見が合うまで相談することを徹底したことで流れが変わる。

 3日目にようやくアンダーパーとなる「69」をマークし、15位タイにまで順位を上げて最終日へ。一時はスコアを3つ落として21位タイにまで順位を下げたが、最後まで諦めることはなかった。

 スコアボードを確認しながらも、なんとか13位以内に食い込むことだけに集中し、最終的に「73」でホールアウト。通算イーブンパーの9位タイでフィニッシュした。古江が3位タイに終わったことで、稲見の順位は関係なかったが、賞金女王への執念が呼び込んだ1オーバーのラウンドだった。
 
 結果として古江の逆転賞金女王を阻んだ形となったのが、優勝した三ヶ島だ。

 19年の『富士通レディース』では最終日を首位でスタートしながら、当時アマチュアだった古江に逆転負けを喫していた経験を持つ。「プロなのにアマチュアに負けたことが申し訳なく、そのことがずっと心に引っかかっていました」と当時について語っていたが、そのリベンジをようやく果たした形となった。

 これまで優勝するチャンスは何度もあったが、あと一歩及ばないことが多く、それを打開するためにも渋野日向子を育てた青木翔コーチに師事したのが昨年1月。それ以来、アプローチ、パットを中心とした地味な練習をひたすら続けながら、スイングも修正して徐々にレベルアップしてきた。

 その成果がようやく形となっただけに、嬉しさもひとしおなのだろう。「自分へのご褒美にロレックスの腕時計(500~600万円相当)を買いに行きます!」と語っていた。

 公式戦を制したことで3年間の複数年シードを得たが、今後はそれを使わなくて済むぐらいの強いゴルファーを目指すつもりだ。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号