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マラソン・駅伝

【箱根駅伝】どこよりも早い来季の“勢力地図”!2023年の本命はやっぱり青学大。気になる2位以降は?

生島淳

2022.01.06

留学生を差し置いて2区で区間賞を獲得した駒大の田澤。写真:JMPA

留学生を差し置いて2区で区間賞を獲得した駒大の田澤。写真:JMPA

◆順天堂大
・卒業生数:3
・在校生平均区間順位:8.43(7人、トータル59)

 今回の順大は4年生が頑張った。6区の牧瀬圭斗と8区の津田将希がともに区間賞で、往路の5位からチームを2位にまで引き上げた。

 プラス材料は、往路の5人はすべて残ること。特に3区で区間3位の伊豫田達弥(3年)、4区区間2位の石井一希(2年)、5区区間5位の四釜峻佑(3年)が戻ってくるのは頼もしい。

 もしも今回、1区で躓かなければ(区間18位)、2区の三浦龍司(2年)でさらにジャンプアップが可能となり、青学大と往路優勝争いをしていた可能性もある。三浦は去年、今年と箱根駅伝では実力を発揮できていない。三浦の爆発力が発揮されれば、順大は優勝を狙える位置でレースを進められるだろう。

◆駒澤大
・卒業生数:1
・在校生平均区間順位:7.78(9人、トータル70)
・特記事項:鈴木芽吹の復活

「3区、8区で区間二桁になってしまったのが敗因」と大八木弘明監督は自らの采配ミスを責めたが、駒大は卒業生が6区を走った佃康平ひとりと、来年に向けては青学大並みの選手層を構築することが可能になりそうだ。ただし、青学大と比べると、現状では7番手以降の選手の差は大きく、中間層の底上げが必須課題となる。

 心配なのは8区で左膝を痛めた鈴木芽吹(2年)。トラックのスピードランナーでもあり、万全の状態で戻ってくることを期待した。もしも今回、鈴木が好調であれば、「唐澤拓海→鈴木芽吹→田澤廉」というオーダーが組むことが可能になり、また違った展開が生まれていただろう。

 大八木監督も「田澤の適性を生かすならば3区」と話しており、そうしたチーム編成が可能になるかに注目したい。
 
◆東洋大
・卒業生数:2
・在校生平均区間順位:8.88(8人、トータル71)
・特記事項:石田洸介の戦力化

 3年連続で山上りを担当した宮下隼人が卒業。今回は2区で松山和希(2年)が区間5位でまとめたのは大きな収穫。また、10区の清野太雅(3年)は5000m14分台、10000mは29分台の記録しか持っていないが、区間2位の走りで、もう少しで総合3位へジャンプアップするところだった。

 今回、痛かったのはスーパールーキーの石田洸介の欠場。彼が4区あたりに入っていれば、より総合順位は上向いていただろう。酒井俊幸監督は語る。

「石田は1km3分前後では押せたとは思います。でも、みなさんが彼に期待しているのはそういう走りではありませんから。走るからには区間賞を取れるような状態まで持ってこないといけない人材だと思っていたので、今回は我慢でしたね」

 来年は石田の快走に期待したい。

◆東京国際大
・卒業生数:1
・在校生平均区間順位:8.11(9人、トータル73)
・特記事項:丹所健、イェゴン・ヴィンセントのダブルエース健在

 今回「東京国際大が往路優勝するのではないか?」という見方もあったが、イェゴン・ヴィンセント(3年)が絶好調とは言い難く、青学大の後塵を拝することになった。

 それでも、丹所健(3年)、ヴィンセントの2枚看板がいれば出雲で本命であるのは間違いなく、しかも9人の経験者が残るわけで、全日本、箱根と楽しみは増える。問題は5区で区間14位、6区で区間13位と、特殊区間で後手を踏んだこと。総合優勝するためには、この区間に手当をしなければならないが、大志田秀次監督が経験者を継続起用させるか、それとも新しい人材を見つけるのかを注目したい。
 
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