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カフェファラオがフェブラリーSを連覇できた理由。差し・追い込みが利かない馬場の影響が顕著に

THE DIGEST編集部

2022.02.21

 二度目のダート挑戦となったソダシはスピードを活かし、最後までしぶとく粘って3着に好走。それとは逆に、レッドルゼルとアルクトスは、差しが利かない馬場のバイアスのせいもあったのだろう。ともに前との差を詰めきれず、それぞれ6、7着に敗れた。

 カフェファラオは、父に米クラシック三冠とブリーダーズカップ・クラシックを制した名馬アメリカンファラオ(American Pharoah)を持つアメリカ産馬。アメリカンファラオは種付料が約2000万円というトップクラスの人気種牡馬である。

 カフェファラオは昨年の本レースを制して以降、かしわ記念(JpnⅠ、船橋・ダート1600m)が5着、函館記念(GⅢ、函館・芝2000m)が9着、チャンピオンズカップ(GⅠ、中京・ダート1800m)が11着と不振をかこっていたが、ここまで3戦3勝と完璧な成績を残していた得意の東京コースに戻って、見事に連覇を果たした。ちなみに昨年もチャンピオンズカップの6着から巻き返しての戴冠を果たしており、よほど東京コースの水が合うのだろうし、また、メンタルに繊細なところがある本馬をビッグレースに向けて修正する堀調教師の手腕も見事のひと言である。
 
 手綱をとった福永祐一騎手は、昨年12月の香港遠征で落馬負傷(鎖骨々折)して休養。2月5日に戦線へ復帰したが、今回のカフェファラオへの騎乗オファーは怪我のリハビリ中に受けていたという。それを意気に感じてレースに臨んだという。

「レース前に位置取り、コース取りも先生(堀調教師)と綿密に相談しました。レースはイメージしたような、砂を被らない3番手の位置が取れて、いい形で進められたので、あとは抜け出して自分が遊ばれないように気を付けるだけでした」

 そう語り、手綱を託してくれた関係者の期待に応えた喜びを語った。

 オーナーサイドは今後、海外遠征も視野に入れているという。父の血に加え、タフさだけではなくスピードも要求される米国のダートに合うのではないかと思うのは筆者だけではないだろう。叶うなら、ブリーダーズカップ・ダートマイル(GⅠ、ダート8ハロン)か、同クラシック(GⅠ、ダート10ハロン)に挑戦してほしいものである。

文●三好達彦

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