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格闘技・プロレス

那須川天心戦までにもっと強くなる――。K-1戦士の“魂”を再確認した武尊の「試行の4分間」が持つ意味

橋本宗洋

2022.02.28

緊張の面持ちでリングに入った武尊。2分2回とあっという間の試合だったが、随所でファンを沸かせた。写真:田中研二

緊張の面持ちでリングに入った武尊。2分2回とあっという間の試合だったが、随所でファンを沸かせた。写真:田中研二

 パンチ以上にインパクトがあったのは蹴りだ。ロー、ミドルがとにかく速い。中継の解説を務めた武居由樹(元K-1スーパー・バンタム級王者、現ボクサー)も、そのことを強調していた。

 また武居は、現在所属する大橋ジムで武尊とスパーリング。相手を巻き込む圧力の強さについても語った。

 まさにここが、ストロングポイントだろう。相手を飲み込む圧力。さらにパンチだけでなく蹴りも速く、強い。武尊によると、いつもより体重を落としたことで動きにキレが出たという。

「スピードやキレは上がってると思います」
 
 武尊vs天心がどうなるか、武居に予想してもらうと「これは本当に分からないです」と語る。那須川はステップを使い、下がりながらもカウンターを絶妙なタイミングで当てていくタイプ。スタイルが違うからこそ、この対戦は面白いのだ。

 武尊の圧力は那須川をも飲み込むのか、それとも日本格闘技界の神童が見せつける動きが勝るのか。スピードとキレではどちらが上なのか。間違いなく言えるのは、那須川と対峙する時の武尊は今回よりも強いということだ。

 決戦まであと4か月。今回のエキシビションについて「やってよかったことしかない」と語った30歳は、さらに仕上げてきそうだ。

取材・文●橋本宗洋

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