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高木美帆が覚悟を決めた北京五輪の舞台裏。27歳の大エースが世界の頂点に上り詰めるまで

矢内由美子

2022.03.08

 高木自身が「五輪とは違う価値がある」と語って挑んだ世界選手権では、惜しくもタイトル奪回とはならず総合2位だったが、ここでもすばらしいレースを見せた。3種目終了時にはトップ。最後の種目となった5000mでは、4年前の平昌五輪後にアムステルダムで開催された同大会で高木に金メダルをさらわれたオランダ勢が気を吐き、北京五輪3冠のイレーネ・スハウテンが逆転優勝を飾った。ただ、高木も5000mの自己ベストを更新する7分1秒97という渾身の滑りだったのだ。

 気持ちの作り方と同様に、食生活にも隙はない。2017年から株式会社明治「ザバス」のサポートを受けて食事を管理。最初の1年間は1日3食の食事内容を写真に撮って栄養士に送り、改善指導を受けた。ザバスがツイッターの公式アカウントで2018年夏に公開した情報によると、高木が送った画像枚数は約9か月(約270日)間で820枚だったという。

 改善指導で知識を得るなどして食生活のベースができあがった後はすべての画像を送る必要がなくなり、今度は大会のレース日程や食事環境に応じて栄養士に師事を仰ぎ、常に最善策を練るようにしていった。
 
 コロナ禍で開催された北京五輪では、食材や味付け、調理方法など、どうしても制限がある中での戦い。ここでは、好物の納豆を自由に食べられる環境を日本選手団が整えたことも助けになった。連戦の疲労で食事が喉を通りにくくなった時、高木は「多い日で3パック、少なくとも毎日1パックは食べていた」といい、しっかりとタンパク質を摂取できていた。

 さて、ストイックなイメージの強い高木だが、以前、囲み取材で自炊について質問が出た時に言っていたのは、「簡単に取れてなおかつ栄養価の高いものをチョイスしています。味噌汁に入れるだけの味付きのしじみや、高野豆腐。けっこうずぼらですよね(笑)」ということ。ざっくばらんなやりとりができるのも、高木の魅力だ。

文●矢内由美子

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