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ゴルフ

【データ考察】賞金女王・稲見萌寧はなぜ昨年のような“ロケットスタート”が切れなかったのか?序盤戦出遅れの要因を徹底分析!

山西英希

2022.03.30

「12月と1月は自分がやりたい量の2割しかできず、2月になってようやく5割ぐらいでした」と言うように、練習計画をほぼほぼ遂行できなかった。暇さえあればボールを打っているという練習の虫が練習不足のままシーズン開幕を迎えたわけだ。しかも、今年から専属トレーナーをつけ、柔軟性が低い体を少しでも柔らかくしようと取り組んでいた。1月末の時点では「可動域を広げ、上体を捻転するスイングを身につけたいです」と語っていたが、それも開幕時点では「30~40%の仕上がり具合」だったと言う。

 スイングの仕上がりが遅ければ、そこに費やす時間も長くなり、その分、ショートゲームを練習する時間は短くなる。当然、稲見自身もパッティングに関しては多少数字が悪くなることは計算済みと考えて不思議ではない。むしろ、スイングが完成していない状態で昨年と変わらないパーオン率を出していることに驚きを感じる。

 実際、前週の『アクサレディスゴルフトーナメント』最終日は、体調が悪く、ショットする度にクラブが手を離していたほどスイングが不安定だったにもかかわらず、パープレーでまとめていた。
 
 確かに昨年と比べて目立った結果を残してはいないが、春を迎えてもっと暖かくなってくれば腰への負担も小さくなるし、上体の捻転もしやすくなる。少なかったショートゲームの練習量も調整できる分、パッティングの数字も上がってくる。

 さらに、今週からの『ヤマハレディースオープン葛城』と翌週の『富士フイルム・スタジオアリス女子オープン』は昨年2週連続で優勝を飾った大会でもあるので、期待感はいやがおうにも高まってくる。出遅れた状態からどこまで上昇気流に乗ることができるか。賞金女王がどこまで意地を見せるか、要注目の2連戦だ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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