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8番人気も“超良血馬”のポタジェが満を持して掴んだG1初制覇!一方で圧倒的な支持を集めたエフフォーリアの敗因は?【大阪杯】

三好達彦

2022.04.05

 ここまで大崩れがない堅実さをもって着実に階段を上ってきたが、重賞で2、3着があったものの、勝利を得るまでには至っていなかった。しかしこの日は、タフさも要求される馬場状態やペースの速さも味方につけて、混戦となったゴール前で力強く抜け出した。

 手綱を託された吉田隼人騎手は、
「強い馬が相手でしたが、一発を狙っていました。きょうはペースが速いかなと思いましたが、勝つためには付いていくしかありませんでした。そのペースに耐えて3コーナーを回れたので、あとはラクでした。賢くて、センスのある馬で、もう一段ギアが上がればもっと上へ行けると思います」
 と、興奮冷めやらぬ様子で語った。
 
 かつて、元騎手の岡部幸雄さんから、
「(馬は)順調に行くのが何より。無理せず元気に育てていけば、いつかチャンスは巡って来るものだから」
 という言葉を聞いたことがある。今回のポタジェの殊勲は、岡部さんの発したこの言葉を地で行くような勝利だったと言えるものなのではないか。“超”の字が付くような良血馬であっても、功を焦ることなく、じっくり成長を待った友道調教師の手腕もあらためて高く評価されるべきだろう。

 2着に粘り切ったレイパパレはディフェンディングチャンピオンの地力を発揮した立派な走りを見せ、3着のアリーヴォも前走で重賞初勝利を収めた勢いを活かして初のGⅠ出走での好走に結びつけた。

 5着に敗れたジャックドールは、レース前からいつも以上にテンションの高さや発汗が目立った。それに加え、先頭を奪ってからも終始アフリカンゴールドに後ろから突かれるかたちとなり、結果としてハイペースを刻まされたことが、結果的に最後の粘りを欠くことになってしまったようだ。

 そして、このレースでいちばん理解し難いのが、「4コーナーではすでに余力がなかった」(横山武史騎手)というエフフォーリアの9着惨敗である。

 初の関西輸送、調教内容の変化(木~土曜日に馬場入りせず)など、様々な敗因が挙げられている。そしてレース当日の夜に鹿戸調教師が、
「ゲート内で突進をして顔が腫れる様な怪我があったことも1つの原因かと思われます」(原文まま)
 とツイートしたことによって分かった突発的なアクシデントの影響も軽視はできないだろう。
 ともあれ、まずは怪我が軽いことを祈りつつ、”王者”の復活を望みたい。
<了>

取材・文●三好達彦

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