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【名馬列伝】代替種牡馬から生まれた稀代の優駿キタサンブラック。鍛え抜かれたタフさでG1レース7勝の王者に<前編>

THE DIGEST編集部

2022.05.27

 初年度の種付料は、出生条件が80万円、受胎条件が50万円という安価であったことから、中小の牧場の繁殖牝馬を中心に150頭もの交配相手を集めた。

 そしてブラックタイドの初年度産駒は2012年にデビューすると、デイリー杯2歳ステークス(G2)を制したテイエムイナズマを出すなど、新種牡馬ランキングでトップとなる成功を収めた。
 
 以後もブラックタイドはコンスタントに活躍する産駒を出し続け、評価は年ごとに高まっていく。そうした良い流れのなか、2013年に生を受けた牡駒が、のちのキタサンブラックだった。

 北海道・日高町のヤナガワ牧場で生まれた未来の優駿は、以前からこの牧場と付き合いがあった歌手の北島三郎オーナー(正式な所有者名義は(有)大野商事)が来訪した際、「顔が二枚目だ」と気に入られ、彼の持ち馬となった。はっきりした購買額は明らかにされていないが、一説には数百万円ほどだったと言われている。

 ちなみに両頭の種付料をみると、ディープインパクトは2019年に4000万円、ブラックタイドは最高で300万円(出生条件)まで高騰した。

 キタサンブラックは1歳の暮れに北海道・新冠町の日高軽種馬育成公社へ移動してトレーニングを受け、2歳の11月に栗東トレーニングセンターの清水久詞厩舎へ預託された。

 ソフト調教が主流になった現在では珍しく、坂路を2本駆け上がらせるなどのスパルタ調教で知られる清水調教師。そのもとで鍛えられたキタサンブラックは、体高こそ高かったものの、まだ実が入っていない細身の馬体がぐんぐんと成長。510㎏という雄大な姿をもって、2015年1月31日に東京競馬場で初戦を迎えることになる。<後編に続く>

文●三好達彦

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