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格闘技・プロレス

K-1の魅力を体現した「番長」ジェロム・レ・バンナ。“千年に一度のKO劇”などで時代を彩った男は今も――【K-1名戦士列伝】

橋本宗洋

2022.06.14

 相次ぐケガにも泣かされ、K-1では優勝できずに終わった。しかし“番長”という異名を授けられるほどの強気なキャラクター、そしてド迫力の試合運びは、間違いなくK-1に欠かせなかった。「試合をする相手なのだから」と普段から他のファイターたちとは距離を置いていたと言われるが、同時にK-1とその選手たちへの愛着も強かったのを筆者は記憶している。

 2001年に『猪木祭り』での安田忠夫戦で敗れた試合も印象的だったバンナは、K-1から去った後も日本で活動を続けた。そして総合格闘技、さらにはプロレスにも進出した彼は、IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション。アントニオ猪木が社長として旗揚げした団体)でチャンピオンになるなど、精力的だった。
 
 今年12月で50歳になるが、今月4日には故郷フランスでMMAに参戦。イワン・ヴィチッチ(セルビア)から一本勝ちを収めた。2020年にフランスでMMAが解禁されたことで実現した“凱旋”だった。

 もっとも、黒星が少なかったわけではない。さらには2016年のRIZIN参戦前には“ドタキャン”騒動もあった。そんな浮き沈みの激しいキャリアを送りながらも彼はいまなお闘い続けている。この50歳の奮闘が励みになるというオールドファンも多いのではないだろうか。

文●橋本宗洋

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