当時の師匠であるブラジル支部長の磯部清次師範は、日本からブラジルに渡った際に「なぜ自分たちで道場の掃除をするのか」といった基礎から現地の弟子たちに説明し、日本武道としての空手を教えてきた。まず精神ありき。そのうえでフィリォたちにハードなトレーニングを課し、『怪物』と呼ばれるまでに育て上げたのだ。フィリォは外国人だから強かったのではなく、空手家として強かった。
結局、K-1では優勝を果たせなかった。しかし、97年に“間合い”戦の末に敗れたアーネスト・ホーストへの2年後の豪快な1ラウンドKOによるリベンジや、ジェロム・レ・バンナ戦での“千年に一度のKO劇”など数々の名勝負を繰り広げたフィリォ。キャリアを重ねるごとに、不安を抱いていたK-1での技術にも安定感が増した。
フィリォの極真世界大会優勝について「K-1、顔面パンチありの間合いを使いこなしている」と指摘する者もいた。「顔面なし」の極真にあって「顔面あり」を知っているから闘い方に幅があると。その要因は彼の吸収力、格闘技に対する貪欲さの証明でもあったはずだ。
記憶にも記録にも残る名選手だった。
文●橋本宗洋
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記憶にも記録にも残る名選手だった。
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