1番人気にはオッズ1.5倍でスペシャルウィークが推され、グラスワンダーはオッズ2.8倍の2番人気に甘んじたが、レースは意外なほどあっさりと決着がつく。
先団から早めに抜け出したスペシャルウィークだったが、その直後まで迫っていたグラスワンダーが一気にそれを飲み込むと、ゴールでは3馬身もの差をつけて圧勝を遂げてしまったのだ。スペシャルウィークの関係者にはショッキングなシーンであり、逆にグラスワンダーの復権はファンを大いに喜ばせた。
宝塚記念でできた2頭の因縁の対決は、年末の有馬記念で再び実現する。ただし、ここへ至る道程はかなり違ったものであった。
スペシャルウィークは、初戦の京都大賞典(GⅡ、京都・芝2400m)で7着に敗れたものの、そこから一気に巻き返して、天皇賞・秋とジャパンカップを連勝。宝塚記念での屈辱を晴らさんと、ラストランとなる有馬記念に臨んできた。
一方のグラスワンダーは、始動戦の毎日王冠をハナ差で際どく制したものの、その後は筋肉痛を発症してジャパンカップを回避するなど、順調さを欠きながら、どうにか間に合わせたという状態で、1番人気には推されたものの、陣営は不安を抱えながら大一番を迎えることになった。
レースはグラスワンダーが後方に控えると、スペシャルウィークがさらにその後ろを進む。淡々とした流れのなか、主役の2頭は向正面から徐々にポジションを押し上げながら直線へ向いた。グラスワンダーは先に抜け出して懸命にゴールを目指すが、そこへ外からスペシャルウィークが強襲。さらにはテイエムオペラオーが2頭に迫ろうとする大激戦となり、最後はグラスワンダーとスペシャルウィークが完全に並んだ状態でゴール。激闘を目にして燃え上がった観客は固唾を飲んで結果を待つが、なかなか掲示板に番号が上がらない。
そして数分が経っただろうか。ようやく1着を示す場所に上がった番号は「7」。いったんは差されたかと思われたグラスワンダーがスペシャルウィークをわずかに差し返して勝利を収めていたのだ。着差は「ハナ」だったが、実際には3㎝の差しかなかったと言われている。有馬記念史に残る名勝負である。
先団から早めに抜け出したスペシャルウィークだったが、その直後まで迫っていたグラスワンダーが一気にそれを飲み込むと、ゴールでは3馬身もの差をつけて圧勝を遂げてしまったのだ。スペシャルウィークの関係者にはショッキングなシーンであり、逆にグラスワンダーの復権はファンを大いに喜ばせた。
宝塚記念でできた2頭の因縁の対決は、年末の有馬記念で再び実現する。ただし、ここへ至る道程はかなり違ったものであった。
スペシャルウィークは、初戦の京都大賞典(GⅡ、京都・芝2400m)で7着に敗れたものの、そこから一気に巻き返して、天皇賞・秋とジャパンカップを連勝。宝塚記念での屈辱を晴らさんと、ラストランとなる有馬記念に臨んできた。
一方のグラスワンダーは、始動戦の毎日王冠をハナ差で際どく制したものの、その後は筋肉痛を発症してジャパンカップを回避するなど、順調さを欠きながら、どうにか間に合わせたという状態で、1番人気には推されたものの、陣営は不安を抱えながら大一番を迎えることになった。
レースはグラスワンダーが後方に控えると、スペシャルウィークがさらにその後ろを進む。淡々とした流れのなか、主役の2頭は向正面から徐々にポジションを押し上げながら直線へ向いた。グラスワンダーは先に抜け出して懸命にゴールを目指すが、そこへ外からスペシャルウィークが強襲。さらにはテイエムオペラオーが2頭に迫ろうとする大激戦となり、最後はグラスワンダーとスペシャルウィークが完全に並んだ状態でゴール。激闘を目にして燃え上がった観客は固唾を飲んで結果を待つが、なかなか掲示板に番号が上がらない。
そして数分が経っただろうか。ようやく1着を示す場所に上がった番号は「7」。いったんは差されたかと思われたグラスワンダーがスペシャルウィークをわずかに差し返して勝利を収めていたのだ。着差は「ハナ」だったが、実際には3㎝の差しかなかったと言われている。有馬記念史に残る名勝負である。