専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

【名馬列伝】奥深き血統的背景を持つスペシャルウィークが、武豊に悲願の称号を贈るまで<前編>

三好達彦

2022.07.30

 ダンスパートナーでオークス、エリザベス女王杯を制するなど、すでにサンデーサイレンス産駒で実績を残していたトレーナー、白井寿昭に預託されたスペシャルウィークは、1997年11月の新馬戦(阪神・芝1600m)でデビュー。降雨で稍重になるタフなコンディションのなか、先団からのスムーズな差し切りで快勝すると、手綱をとった武豊は「かなり将来性が高い馬」とコメントし、早くも大きな期待を寄せられる存在となった。
 
 2戦目は年明けの白梅賞(500万下、京都・芝1600m)ハナ差の2着で取りこぼしたものの、次戦は強気に重賞のきさらぎ賞(GⅢ、京都・芝1800m)に挑戦。ここで2着のボールドエンペラーに3馬身半差を付ける圧勝を遂げると、続く弥生賞(GⅡ、中山・芝2000m)では、セイウンスカイ、キングヘイローというライバルたちを破って快勝。一気に”クラシック候補”一番手の座へ駆け上がった。

 一冠目の皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)。単勝オッズ1.8倍とダントツの1番人気に推されたスペシャルウィークだが、想像以上の苦戦を強いられる。

 というのも、前週まで設定されていた移動柵(仮柵)の位置が2頭が通れるぐらいの幅で内へと移され、インコースにまったく傷んでいない“グリーンベルト”が出現。そこを通った先行馬に有利な馬場となっていたからだ。

 人気のセイウンスカイとキングヘイローがインコースの2、3番手を進むなか、大外の18番枠から出たスペシャルウィークは後方追走を余儀なくされる。1000mの通過が60秒4という平均ペースで進み、それも先行馬に味方する。そして直線でセイウンスカイとキングヘイローが激しく競り合うところへスペシャルウィークも猛追したが、2頭の後塵を拝して3着に敗れてしまった。

 しかし、そうした馬場状態が影響していたことを理解していたファンはスペシャルウィークを信じ、迎えた日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)でも単勝オッズ2.0倍の1番人気に推した。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号