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【名馬列伝】大一番で魅せた華麗なる逃走劇! マヤノトップガン、常識外れの年13戦で年度代表馬に駆け上がるまで<前編>

THE DIGEST編集部

2022.08.13

 復帰戦は約2カ月ぶりのレースとなる神戸新聞杯(GⅡ、京都・芝2000m)。2番手で直線へ向いて、タニノクリエイトに差されたものの、クビ差の2着に健闘。菊花賞への優先出走権を確保するとともに、重賞で互角に戦えるポテンシャルの高さをアピールした。

 続いてはもう一つの菊花賞トライアル、京都新聞杯(GⅡ、京都・芝2200m)へ出走。このレースでは控えて中団から進むと、先に抜け出したナリタキングオーに鋭い末脚で迫り、またもクビ差の2着に食い込んで、脚質の自在性という新味も見せた。
 
 順調なステップを踏んで、秋の最大目標である菊花賞に臨むことになったマヤノトップガン。

 この年は春のクラシックで活躍した2頭、皐月賞を制したジェニュインは距離適性を考えて天皇賞・秋(GⅠ、東京・芝2000m)へ進み、ダービー馬のタヤスツヨシは京都新聞杯と神戸新聞杯でそれぞれ5着、7着に敗れて不調をかこっていた。

 そのため単勝人気では、オークスを制したあとフランスへ遠征していたダンスパートナーが推され、2番人気は京都新聞杯を勝ったナリタキングオーとなった。トライアルの2レースでともに2着となったマヤノトップガンはそれに続く3番人気の評価を受けてレースを迎えた。

 サンデーウェルやマイネルブリッジが先行するなか、マヤノトップガンはそれらを前に見る4番手という好位置を得ると、コンビを組み続けている鞍上の田原成貴とピタリと折り合ってレースを進める。

 そして彼が動いたのが2周目の第3コーナー。じわじわとポジションを挙げながら直線の入り口で先頭に立つと、後続の様子を見ながらラストスパートに入る。そして道中で溜め込んだパワーを一気に解き放ち、追い込んだトウカイパレスに1馬身半の差を付けて圧勝。走破タイムの3分04秒4は、1994年にナリタブライアンがつくったレースレコードを0秒2更新する優秀さ。マヤノトップガンと“鬼才”田原成貴のコンビががっちりと組み合わさってたぐり寄せた勝利だった。

 ちなみに、ゴールの際に田原が見せた十字を切って投げキッスをするという派手なパフォーマンスは、名馬ラムタラの馬上でランフランコ・デットーリがした仕草を真似たものである。
 
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