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バレーボール

勝てば熱狂、負ければ誹謗中傷も。男子バレー界の伊レジェンドが打ち明ける世界選手権優勝の若き自国代表への想い「パリ五輪は好機だが…」

佳子S.バディアーリ

2022.09.21

イタリアをバレーボール大国に押し上げた功労者のひとりゾルジ氏。若きアッズーリにかかる重圧を危惧する。写真提供:佳子S.バディアーリ

イタリアをバレーボール大国に押し上げた功労者のひとりゾルジ氏。若きアッズーリにかかる重圧を危惧する。写真提供:佳子S.バディアーリ

 同氏が自身のYouTubeアカウントで公開中の動画で、90年代をともに戦った監督とチームメートたちが当時をこう振り返っている。

「世界選手権の初優勝から何もかもが急変した」
「国内でバレーボールの人気が急激に高まり、選手の収入もアップした」
「テレビ、ラジオ、新聞や雑誌などで露出が増え、スポンサーや周囲の人々、その知り合いやそのまた知り合いから頼まれてあちらこちらに顔を出し、とにかく忙しかった」
「選手の招集に不満を並べる人もいた」
「事実無根のゴシップをメディアに報じられたこともあった」
 
 快挙を達成し認知度が高まったことで、チームは皮肉にもストレスを抱えるようになったという。また、愛国心の強いイタリアでは特に人気スポーツの代表戦への関心が高く、勝利すれば凄まじい熱狂、負ければ辛辣な誹謗中傷など愛情の裏返しとも取れる厳しい洗礼が待ち受ける。お国柄とは言え、そのインパクトはなかなかなものだ。

「今は世界と欧州を制したことを満喫して欲しい。ただ、若い彼らは大きな注目にうまく対応しなければいけない。輝かしい勝利が若いチームの重荷にならないことを願っている」

 自身の現役時代と重なるアッズーリの大躍進に、ゾルジ氏は静かなエールを送った。

 イタリア代表は世界選手権優勝により世界ランク2位へと大きくジャンプアップ。龍神NIPPONも負けてはいられない。パリ五輪出場枠の獲得に重要な来シーズン、互いに様々な困難を乗り越えた両代表が再び対戦する日が今から楽しみだ。

取材・文●佳子S.バディアーリ
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