続く第４セットは、ここで勝負を決めたい日本が序盤をリード。だが、負けるわけにはいかないブラジルの主将ガビこと、ガブリエラ・ギマラエスの連続得点で逆転を許す。我慢強いプレーで度々、引き寄せた好機をサーブミスでなかなかものにできないまま、相手の３度目のセットポイントで石川がブロックにつかまりフルセットへ持ち込まれた。
  　突入した最終セットで先にリードを奪った日本だったが、ラリーを続けて取りこぼし２点ビハインドでコートチェンジ。選手全員の渾身の守備で１点を争う展開に持ち込むも、攻撃で連続ミスに見舞われ３点を追う展開に。終盤に気迫の追い上げで相手のマッチポイントを２度阻止する。しかし、最後は石川の打球がネットにかかりゲームセット。手が届きかけたベスト４入りを掴み取ることはできなかった。

　林がチーム最多で試合２位となる21得点（アタック19、エース2）、決定率52.3％の山田が19得点（アタック12、ブロック７）、石川が18得点（アタック16、エース２）、井上が16得点（アタック15、ブロック1）を記録した。また、レセプション（A+Bパス）は林が52.1％、石川が46.1％。ディグでは、石川が68.4％、福留が66.6％、関が47.8％、島村も本数は少ないがトライした５本全てを成功させるなど、敗れたもののいずれも高い確率で日本らしい守備が光った試合だった。

　チームスタッツで日本はアタック70、ブロック９、エース４　エラー19。ブラジルがアタック75、ブロック６、エース３、エラー27。総ポイント数は日本が110、ブラジル103と、アタック以外では世界ランク２位を上回るレベルの高いパフォーマンスだった。

　今年の代表シーズンはこの試合をもって終了。とてつもない悔しさが残る結果となったが、半世紀近く、黒星が続いたブラジルを相手に２試合連続の大金星へ限りなく近い内容は確かな飛躍の証。主将・古賀だけではなく、コートに立つ選手一人ひとりが主役として存在感を放つチームに成長したことは、パリ五輪出場資格の獲得へ向けて大きな収穫となったはずだ。

　火の鳥NIPPONのさらなる躍進を心から期待したい。

構成●THE DIGEST編集部
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