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【天皇賞(秋)】『3歳vs4歳』の勢力図が濃厚。「ひと回り骨格が大きくなった」イクイノックスが同世代、古馬勢を一蹴へ

三好達彦

2022.10.29

 シャフリヤールは、海外GⅠまで制しているという意味では格上の存在。ただし、今回は4着に敗れた英国のプリンスオブウェールズステークス(GⅠ、アスコット・芝9ハロン212ヤード=約1990m)以来、4カ月半ぶりのレースになる。

 追い切りでは流石の動きを見せたが、共同会見で藤原英昭調教師は「この馬は、限界値がどこにあるのか分からない」という高い評価を口にした一方で、「やはり秋はジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)がメインターゲットになる」とも述べている。名門・藤原英昭厩舎だけに半端な仕上げで臨むことは有り得ないが、ジャパンカップへのステップとしての出走というニュアンスを汲んで、ここはやや評価を下げたい。

 ジオグリフは、道中で不利もあって日本ダービーは7着に敗れた。その後に右前肢の第1指骨の骨折が判明。当初は全治3カ月の見通しと発表されていたが、幸いにして軽傷だったため保存療法で治癒。7月の初旬に放牧先のノーザンファーム天栄で乗り出し、9月28日に美浦トレセンへ帰厩した。

 追い切りには今回も騎乗する福永祐一騎手がまたがって、骨折での休養を経たことを感じさせない素晴らしい動きを見せた。福永騎手は「バランス良く成長していて、ノドは鳴っている(喘鳴症)けれど、走りに影響はないし、非常にいい状態で出走できると思う」と感想を語っている。とはいえ、骨折休養明けで古馬を相手にGⅠで好戦するのは難しいのも確か。非情に徹して、押さえ評価にしておきたい。
 
 ジャックドールは、昨年9月に1勝クラスを勝ってから破竹の5連勝。今年の金鯱賞を1分57秒2のレコードで制覇した。このレースで前年の大阪杯(GⅠ、阪神・芝2000m)を制したレイパパレ(牝5歳/栗東・高野友和厩舎)に2馬身半差を付けたことで一気に評価を上げた。

 しかしその後、GⅠ初挑戦となった大阪杯で0秒5差の5着に敗れており、トップクラスと比較するとやや力の差を感じさせた。ステップレースとして出走した札幌記念では3~4番手に控え、パンサラッサを差し切って優勝したことには好感が持てるが、メンバーが揃った今回はGⅠ実績という面で見劣りするのは確か。こちらも評価は控えめに留めたい。

 ダノンベルーガはデビュー2戦目にして共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)を優勝。その後は皐月賞、日本ダービーで連続4着しており、まだキャリアが4戦しかないため、伸びしろの大きさという点で魅力が大きい。実際、追い切りの動きは春より一段と迫力を増しているのは間違いない。とはいえ、本馬もGⅠ実績の点で評価を下げざるを得ず、上位馬との差をどこまで詰められるか見るべき伏兵的な存在とするべきだろう。
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