また、オフシーズンの風洞実験をこれまでの50％スケールから60％スケールに変更したことの影響にも言及。エッギトンTDも「短期間で２つの60％モデルを制作することになった。そこにもクリアしなければならない課題があった」と認めている。
  　重量の問題も抱えていたというAT03だが、何と言っても「とらえどころのない空力」の改善が常に最優先課題であった。同メディアは、「コーナーごとにアンダーステア、オーバーステアと、両極端の挙動を示すことにガスリーは苛立って不満を漏らした。これは、アグレッシブなコーナー進入に依存する彼のドライビングスタイルとは相容れないものであり、ゆえに予選などでは、角田の方がうまく対処していた」と綴っている。

「全体として、車が持っていたパフォーマンスを最大限に活用できなかっただけでなく、期待された空力面の開発が進歩しなかったため、残念なシーズンとなった」と総括されたアルファタウリ。気になるのは来る2023年で挽回できるかどうかだが、アルピーヌに移籍するガスリーは、オランダのF１専門サイト『F1MAXIMAAL.NL』に対し、「アルファタウリのスタッフは僕に、2023年はこれまでのベストな車を作り、もっと前の位置で競争できるようになると話していた」と明かした。

　今季、先行したライバルたちがさらなる進歩を目指して開発に勤しむ中、アルファタウリは競争力を取り戻してコースに戻って来ることができるか？　勝負のシーズンを迎える角田や満を持してフルタイムでのF１デビューを果たすニック・デ・フリースが、その能力を最大限に発揮できる「AT04」が仕上がることを期待したいものだ。

構成●THE DIGEST編集部
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