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格闘技・プロレス

「本当に最終章じゃないですか」――慎重だった階級上げへの葛藤。井上尚弥が“地位崩壊”のリスクがあっても挑むワケ

THE DIGEST編集部

2023.01.14

 確立してきた地位やブランド力を失うかもしれない。しかし、そんなスリリングな舞台だからこそ、井上はバンタム級に留まるよりも先の道を選ぶのだ。「もちろん現状でも戦える自信はありますけど、スーパーバンタム級で敵なしと言われるくらいになるにはまだまだ時間がかかると思う」と話した29歳は、こう続けている。

「今、階級を上げたとしてもそれなりに戦えると思うし、バンタム級に上げた時もそういう気持ちだった。でも上げた当時より、年月かけてトレーニングしてきた最後の方、とくにドネア2(2戦目)や前回のバトラー戦は見るからに身体つきが変わってきているので、スーパーバンタム級に上げても、身体をつくるにはそれなりの年月が必要だと思います、そこを見据えてやっていきたいと思います」
 
「バンタム級で4団体統一が4年8か月かかったように、スーパーバンタム級もそのくらいの年月が必要なのかなと思う。それを考えたらスーパーバンタム級に本当にアジャストして戦っていくには、バンタム級と同じくらいの年月がかかると思う。だからこのスーパーバンタム級が本当に最終章じゃないでしょうか」

 具体的に「2、3年先を見てフィットさせていきたい」という井上は、「バンタム級へはスーパーフライ級の1つのベルトを持って挑んでいった。今回は4つのベルトを持って上げるので、かなりの違いがある」と自信も覗かせた。

 かつて「適正な階級じゃなければ意味がない」とまで話していたバンタム級から歩みを進める井上。常々体力的な衰えが見え始めてくるであろう35歳での引退を口にしてきた偉才は、残されたわずかな期間で「本当に世界初のことになる」と意気込む2階級での4団体統一を果たせるのか。まさしく偉業への挑戦がついに始まる。

取材・文●羽澄凜太郎

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