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【名馬列伝】M・デムーロを史上初の外国人ダービー騎手に導いたネオユニヴァース。短期騎手免許に特例処置設けたJRAの“粋な”英断

三好達彦

2023.03.03

 ネオユニヴァースは、オグリキャップを管理したことで知られる瀬戸口勉厩舎(栗東)へ2002年に入厩する。瀬戸口のもとには、のちに朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)を制することになるエイシンチャンプという同年齢の優駿が入厩していた。どちらも主戦騎手は福永祐一だった。

 ネオユニヴァースは新馬戦、白梅賞(500万下)、きさらぎ賞(GⅢ)を福永とのコンビで勝利し、クラシックの有力候補の1頭との評価を受けることになる。エイシンチャンプも朝日杯フューチュリティステークスで福永の手綱によって低評価を覆す勝利を収めると、翌年にはクラシックを睨んだローテーションを組むことになる。

 福永は皐月賞(GⅠ)へのステップレースを前にして”お手馬”の2頭、どちらの手綱を取るかの選択を迫られたが、のちに「選ぶときに迷いはなかった」と語ったように、手を携えてGⅠタイトルを制したエイシンチャンプの手綱を取ることになった。

 宙に浮いたネオユニヴァースの鞍上に誰を迎えるかに注目が集まった。そして指名を受けたのが、短期免許で来日して関係者に確かな手腕を認められ、オーナーサイドからの勧めを受けたデムーロだった。
 
 デムーロが初めて手綱をとったスプリングステークス(GⅡ)は、中団から鋭く抜け出したネオユニヴァースが圧勝。かたや年明け初戦となったエイシンチャンプも、福永の叱咤に応えて先行抜け出しでの危なげないレースぶりで弥生賞(GⅡ)を快勝した。

 小雨となったものの、良馬場で行なわれたクラシック一冠目の皐月賞(GⅠ)。ネオユニヴァースが1番人気、2番人気にスプリングステークスで2着に食い込んだサクラプレジデント、3番人気にエイシンチャンプが推されてレースを迎えた。

 レースは中団でネオユニヴァース、サクラプレジデント、エイシンチャンプの並びでお互いの動きを意識しながら直線を向く。すると、サクラとエイシンが先に動いて抜け出しを図るが、それを目標に後ろからワンテンポ置いて襲い掛かったのがネオユニヴァースだった。サクラプレジデントが粘りに粘って2頭の激烈な叩き合いになったが、ネオユニヴァースがアタマ差競り勝って一冠目を制した。

 勝利に興奮したデムーロが、サクラプレジデントに乗る田中勝春のヘルメットをポンと叩くひと幕もあって物議を醸したが、外国人騎手として初のクラシック制覇という快挙を達成した彼の喜びゆえのオーバーアクションだと言えなくもなかった。

 一方、福永のエイシンチャンプも3着には食い込んだが、2着から3馬身半離された結果は完敗だった。
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