ズバリ言うと、今年の天皇賞(春)は、実績面からみても、優勝争いに加われるのは、これら人気上位、なかでもタイトルホルダー、ジャスティンパレス、アスクビクターモア、ボルドグフーシュの力が”抜けている”と思う。
ただし、タイトルホルダーがオッズ1倍台という圧倒的な人気を集めていることには、いささか疑問もある。逃げ・先行馬の宿命とはいえ、彼もすんなり逃げを打てたり、先行できればいいのだが、ゲートで後手を踏んだり、他馬に執拗に絡まれたりすると案外もろく、また同時に末脚の切れはない馬なので”上がり勝負”は不得手というウィークポイントを持っている。
今回は「逃げ宣言」をしたアフリカンゴールド(せん8歳/栗東・西園正都厩舎)が大外の8枠17番に入ったため、先行争いがどのように展開し、また落ち着くかを読むのが非常に困難な状況となった。また、前目の好位でレースを進めるのが常にジャスティンパレスとアスクビクターモアに直後でマークされるのもタイトルホルダーには厳しい点だ。
この4頭であえて序列をつけるなら、絶好の1番枠を引いたジャスティンパレス、日経賞(GⅡ、中山・芝2500m)で大敗(9着)した後、1週前追い切りで迫力の走りを見せたアスクビクターモア、阪神大賞典(2着)をひと叩きされて順調に上昇カーブを描いているボルドグフーシュ、そして2連覇を狙うタイトルホルダーの並びで推したい。
筆者は荒れそうもない一戦を「賭けるレース」の逆の意味で「見るレース」と読んでいるが、今年の天皇賞(春)は文字通り「見るレース」だと思っている。もし、上位人気同士で決まれば決まったで「こんなに堅いのは買えない」と意気消沈するだろうし、とんでもない穴馬が飛び出しても、また「さすがに、この馬は買えない」と嘆くのがオチだからだ。
ただ、それでも「もしも」に賭けるならば、大阪杯で8番人気ながら4着に健闘したマテンロウレオ(牡4歳/栗東・昆貢厩舎)をピックアップするだろう。
重賞勝利は昨年2月のきさらぎ賞(GⅢ、中京・芝2000m)の1つだけしかなく、実績的には上位人気の馬たちと比較にはならない。ただ、これまで走った最長距離が日本ダービー(GⅠ、東京)の2400mだが、3200mになって父ハーツクライの血が覚醒する可能性を秘め、同時に気楽な立場で思い切った乗り方ができるときに怖い横山典弘騎手の手綱さばきも魅力的だ。まさか1~3着を横山家が占める、というドラマは出来過ぎだろうが、そのシーンを見てみたい気がするのも確かだ。
天候の早い回復を望みつつ、3年ぶりとなる淀の3200mで繰り広げられる力と力のぶつかり合いを楽しみたい。
文●三好達彦
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ただし、タイトルホルダーがオッズ1倍台という圧倒的な人気を集めていることには、いささか疑問もある。逃げ・先行馬の宿命とはいえ、彼もすんなり逃げを打てたり、先行できればいいのだが、ゲートで後手を踏んだり、他馬に執拗に絡まれたりすると案外もろく、また同時に末脚の切れはない馬なので”上がり勝負”は不得手というウィークポイントを持っている。
今回は「逃げ宣言」をしたアフリカンゴールド(せん8歳/栗東・西園正都厩舎)が大外の8枠17番に入ったため、先行争いがどのように展開し、また落ち着くかを読むのが非常に困難な状況となった。また、前目の好位でレースを進めるのが常にジャスティンパレスとアスクビクターモアに直後でマークされるのもタイトルホルダーには厳しい点だ。
この4頭であえて序列をつけるなら、絶好の1番枠を引いたジャスティンパレス、日経賞(GⅡ、中山・芝2500m)で大敗(9着)した後、1週前追い切りで迫力の走りを見せたアスクビクターモア、阪神大賞典(2着)をひと叩きされて順調に上昇カーブを描いているボルドグフーシュ、そして2連覇を狙うタイトルホルダーの並びで推したい。
筆者は荒れそうもない一戦を「賭けるレース」の逆の意味で「見るレース」と読んでいるが、今年の天皇賞(春)は文字通り「見るレース」だと思っている。もし、上位人気同士で決まれば決まったで「こんなに堅いのは買えない」と意気消沈するだろうし、とんでもない穴馬が飛び出しても、また「さすがに、この馬は買えない」と嘆くのがオチだからだ。
ただ、それでも「もしも」に賭けるならば、大阪杯で8番人気ながら4着に健闘したマテンロウレオ(牡4歳/栗東・昆貢厩舎)をピックアップするだろう。
重賞勝利は昨年2月のきさらぎ賞(GⅢ、中京・芝2000m)の1つだけしかなく、実績的には上位人気の馬たちと比較にはならない。ただ、これまで走った最長距離が日本ダービー(GⅠ、東京)の2400mだが、3200mになって父ハーツクライの血が覚醒する可能性を秘め、同時に気楽な立場で思い切った乗り方ができるときに怖い横山典弘騎手の手綱さばきも魅力的だ。まさか1~3着を横山家が占める、というドラマは出来過ぎだろうが、そのシーンを見てみたい気がするのも確かだ。
天候の早い回復を望みつつ、3年ぶりとなる淀の3200mで繰り広げられる力と力のぶつかり合いを楽しみたい。
文●三好達彦
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