土曜午前７時の計測で東京・芝のクッション値は「9.3」と、「やや硬め」に近い「標準」という値を示している。天候が予想通りに晴れると推移すれば、馬場はさらに乾いて速めの時計が出る状態になると予想される。

　それに加えて、東京は今週からＣコース（いちばん内にあるＡコースから外に６ｍ移動）に設定され、多少ハイペースになっても簡単には「前が止まらない」競馬となる可能性が高い。つまり、ソールオリエンスは当然ながら皐月賞のように極端な競馬で勝利をものにするのは難しいだろうということだ。

　当然、ソールオリエンスの手綱をとる横山騎手も皐月賞とは違う競馬のイメージを描いているだろうが、そこに他馬が付け込む隙が生じるのではないか。単勝１倍台という数値が示すほどの信頼性はないのではないか、と筆者は考えている。ゆえに、ソールオリエンスは絶対的存在ではなく、「有力候補の１頭」として捉えたい。
  　ソールオリエンスを負かす可能性がある他の有力馬として３頭を挙げてみる。まず筆頭に挙げたいのは、皐月賞で２着に食い込んだタスティエーラだ。

　同馬は共同通信杯（ＧⅢ）で４着に敗れたため、権利取りに弥生賞（ＧⅡ）を使わざるを得なくなった誤算はあったものの、そのレースを圧勝している。結果的に皐月賞では、ソールオリエンスに差されはしたが、正攻法を取りながら２着としたのは高い能力の証だ。

　前走後は、いつものノーザンファームしがらきではなく、美浦トレセンから距離が近いノーザンファーム天栄へ短期放牧に出すという工夫をしながらケアを施し、トレセンに戻ってからは、テン乗りのダミアン・レーン騎手をできる限り調教に乗せて、馬とコミュニケーションを深めてきた。

　土曜の午前現在で皐月賞２着馬の単勝が10倍近いオッズの４番人気であれば、これは勿怪の幸いと言うべき。アタマから狙ってみるのも一考だろう。