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6年ぶりのイブ決戦! シーズン大一番で“余力残す”第90代ダービー馬・タスティエーラが主役を張る!【有馬記念】

三好達彦

2023.12.23

 年を追うごとにレースのハイレベル化が進み、出走馬の蓄積疲労が大きくなる傾向があるが、それを端的に表すのがシーズン最後の大一番となる有馬記念。ここまで経てきたレースのレベル、レース数など蓄積疲労を小さくし、この舞台にどれだけ余力を残しているかというのが、大事なポイントだ。

 その観点から、主軸には第90回の日本ダービー(GⅠ)を制したタスティエーラを推したい。

 本馬は3月のディープインパクト記念弥生賞(GⅡ)を勝って以降、牡馬クラシックの皐月賞(2着)、日本ダービー(優勝)、菊花賞(2着)と、どれもパーフェクト連対している。実績は抜群で、中山コースも〔1・1・0・0〕と相性がいい。

 加えて秋シーズンは菊花賞のあと、約2か月の休養をとって余力も十分。今週の追い切りでも軽快な動きを見せており、状態は上昇している。

 今年の牡馬クラシック戦線のレベルに疑問符を付ける声も聞かれるが、混戦のダービーを際どく制した勝負強さと、3000mの長丁場だった菊花賞を2着で激走した力は見直すべきだろう。父親であるサトノクラウンも管理し、GⅠを2勝するまでに導いた堀調教師の「厩舎力」にも注目したいし、鞍上には名手と評されるライアン・ムーア騎手を確保したのも大きい。

 現時点なら人気も望外に低いようなので、馬券的にも旨味がある。単勝まであるかどうかは微妙でも、連軸として見れば、最も魅力的なのはタスティエーラだと確信する。
 
 対抗格には8枠に入った2頭の牝馬、スターズオンアースとスルーセブンシーズを挙げておきたい。

 過去10年のレース成績を見ると、2014年のジェンティルドンナ(1着)、2017年のクイーンズリング(2着)、2019年のリスグラシュー(1着)、2020年のクロノジェネシス(1着)とサラキア(2着)、2021年は再びクロノジェネシス(3着)、そして昨年のジェラルディーナ(3着)と、トップクラスの牝馬が強力な牡馬陣と互角の勝負に持ち込むケースが多い。その意味では、先述した2騎が上位に進出してきても決して驚きではない。

 大外枠のスターズオンアースは、ぶっつけで臨んだ前走のジャパンカップで3着と、ひと叩きされての上昇が著しい。また15番枠のスルーセブンシーズは宝塚記念(GⅠ)で2着後、フランスに遠征。世界の強豪馬が集った凱旋門賞(GⅠ、ロンシャン・芝2400m)で4着に善戦。そこから約3か月の休養をとって、じっくりと仕上げられてきた。

 また、コース実績も〔4・1・2・0〕と馬券圏内を一度も外したことがない中山巧者なのも強調材料。父ドリームジャーニーも09年に勝利を挙げた舞台だけに、血統の後押しにも期待できそうだ。
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