ゲートに集まって輪乗りをしていた最中に、ダノンデサイル(栗東・安田翔伍厩舎)が右前肢跛行のために競走除外となるトラブルを経て迎えたスタート。思い切ったダッシュをかけて先頭を奪ったのは、前走の毎日杯(GⅢ、阪神・芝1800m)で後続に6馬身差を付けて逃げ切った4番人気のメイショウタバル(栗東・石橋守厩舎)。好スタートを切った3番人気のジャンタルマンタルも果敢にポジションを取りにいって3番手に付け、それを前に見る4~5番手をジャスティンミラノが追走。シンエンペラーは中団の後ろ目を、スタートに難があるレガレイラは後方の14~15番手から進んだ。
メイショウタバルは後続との差をぐんぐん広げて大逃げのスタイルになり、彼が刻んだ1000mの通過ラップがターフビジョンと実況中継の音声で伝えられた瞬間、スタンドが大きくどよめく。「57秒5」。“超”の字がつくハイペースだ。それでも、2番手以降を追走する先行勢は徐々に前との差を詰めながら最終コーナーを回り、最後の直線へと向く。
さすがに暴走気味に飛ばして逃げバテたメイショウタバルの脚が上がると、それを坂下で交わして先頭に躍り出たのはジャンタルマンタル。一気に後続との差を広げて、一時は3~4馬身の差を付けた。しかし、そこへ馬場の外目から急襲したのは、4枠8番をマークするような位置から伸びたジャスティンミラノと、中団から切れ味を発揮したコスモキュランダだった。
栄光の頂に向かってジャンタルマンタルは粘るが、早めに仕掛けた負担が終いに堪えて脚色が鈍ったため、最後はジャスティンミラノとコスモキュランダの2頭の激烈な叩き合いとなり、前目でレースを進めていたジャスティンミラノがクビ差で抑え切ってゴール。走破タイムの1分57秒1は、従前の記録を0秒7も更新する驚異的なコースレコードだった。
追い切り後の共同会見で、「何とか皐月賞馬として、ダービーへ向かいたい」と語っていた友道調教師。現役屈指の腕利きのダービー3勝トレーナーは、枠場に帰ってきた愛馬を迎える際、調教で何度も手綱をとっていた藤岡康太騎手を偲んで、まわりを憚ることなく涙を流し、「1週前の追い切りのあと、『今日の時点では、最高の追い切りになりました』と言ってくれたのが、彼と最後に交わした言葉になりました。いつもは馬の名前を呼ぶんですが、今日は『康太! 康太!』と叫んでいました。この勝利は彼のおかげだと思っています」と、声を詰まらせていた。
また殊勲の戸崎圭太騎手も、「いつも調教の内容や手応え、成長した部分など、細かく伝えてくれていました。終いの苦しいところでも馬が頑張ってくれたのは、康太が後押ししてくれたからだと思います」と、享年35歳という若さで亡くなった後輩への感謝を表した。
メイショウタバルは後続との差をぐんぐん広げて大逃げのスタイルになり、彼が刻んだ1000mの通過ラップがターフビジョンと実況中継の音声で伝えられた瞬間、スタンドが大きくどよめく。「57秒5」。“超”の字がつくハイペースだ。それでも、2番手以降を追走する先行勢は徐々に前との差を詰めながら最終コーナーを回り、最後の直線へと向く。
さすがに暴走気味に飛ばして逃げバテたメイショウタバルの脚が上がると、それを坂下で交わして先頭に躍り出たのはジャンタルマンタル。一気に後続との差を広げて、一時は3~4馬身の差を付けた。しかし、そこへ馬場の外目から急襲したのは、4枠8番をマークするような位置から伸びたジャスティンミラノと、中団から切れ味を発揮したコスモキュランダだった。
栄光の頂に向かってジャンタルマンタルは粘るが、早めに仕掛けた負担が終いに堪えて脚色が鈍ったため、最後はジャスティンミラノとコスモキュランダの2頭の激烈な叩き合いとなり、前目でレースを進めていたジャスティンミラノがクビ差で抑え切ってゴール。走破タイムの1分57秒1は、従前の記録を0秒7も更新する驚異的なコースレコードだった。
追い切り後の共同会見で、「何とか皐月賞馬として、ダービーへ向かいたい」と語っていた友道調教師。現役屈指の腕利きのダービー3勝トレーナーは、枠場に帰ってきた愛馬を迎える際、調教で何度も手綱をとっていた藤岡康太騎手を偲んで、まわりを憚ることなく涙を流し、「1週前の追い切りのあと、『今日の時点では、最高の追い切りになりました』と言ってくれたのが、彼と最後に交わした言葉になりました。いつもは馬の名前を呼ぶんですが、今日は『康太! 康太!』と叫んでいました。この勝利は彼のおかげだと思っています」と、声を詰まらせていた。
また殊勲の戸崎圭太騎手も、「いつも調教の内容や手応え、成長した部分など、細かく伝えてくれていました。終いの苦しいところでも馬が頑張ってくれたのは、康太が後押ししてくれたからだと思います」と、享年35歳という若さで亡くなった後輩への感謝を表した。
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