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格闘技・プロレス

鈴木千裕の勝機はどこに? ボクシング界の英雄パッキャオがついにRIZINの実戦リングへ「ボクシングを勉強させてあげよう」

橋本宗洋

2024.06.12

 パンチの技術でいえば、もちろんボクシングが最高峰だ。ましてボクシングで勝負しても、その世界のレジェンドであるパッキャオに勝てる者はそういない。
 
 だがMMAのパンチはボクシングとは違う。軌道やタイミングなど、ボクシングのセオリーにはないものだからこそ当たる可能性がある。以前、ある立ち技の選手がMMAファイターの打撃についてこう言っていた。

「専門家に比べたらヘタなのかもしれない。でも、ヘタだからやりにくいということもあるんです」

 パッキャオのRIZIN参戦合意からマッチメイク決定までに時間がかかったのは、相応しい相手がなかなか見つからなかったからだという。逆に言えば、鈴木千裕はRIZINが時間をかけて、自信をもって選んだ“パッキャオへの刺客”ということになる。

 パッキャオは、これはあくまでボクシングであり、鈴木の試合もMMAだから見ていないと言う。パッキャオに余裕があるのは確かだ。ただ、ナメているかというと、そうではないだろう。

 鈴木戦に向けての練習について聞かれると「いつもと同じ準備をします。3ラウンドのファイトだけど、12ラウンド用の準備を」。

 この一戦はフィリピンでの地上波生中継も決まっているという。大統領選にも出馬した人間が、母国の人間にナメた態度で金儲けをする姿を見せるわけにはいかないだろう。だからこその「エキシビションではなくファイト」なのではないか。

 ボクシングでの世界戦も交渉中だというパッキャオ。45歳でどんな強さを見せるのか。格闘技の常識からすれば突飛だが、鈴木がすべてを破壊する可能性も含め、やはり興味がないと言ったら嘘になる。

取材・文●橋本宗洋

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