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バレーボール

来季CL出場権獲得に貢献した石川祐希、二人三脚で戦ってきた専属トレーナーが明かす最終盤の苦闘の裏側

佳子S.バディアーリ

2025.05.07

今季6度目となるマン・オブ・ザ・マッチを受賞した石川。チームを3位に導いた。(C) Sir Susa Vim Perugia

今季6度目となるマン・オブ・ザ・マッチを受賞した石川。チームを3位に導いた。(C) Sir Susa Vim Perugia

 タイブレークが始まるや否や、ギアを一気にトップへ入れたのは石川。相手のOPイタリア代表ユーリ・ロマノのライト攻撃を阻止した1枚ブロックを皮切りに、レフトからの3連発とブロックアウトでラリーを制してコートチェンジを迎えるまでに5得点を挙げる。ところがペルージャは後半、粘るピアチェンツァにブレークを許すなどしてリード3点を手放し12-12。懸念材料とも言える終盤の不安定さから、さらに誤打とエースを献上してマッチポイントを握られてしまう。以降、プレッシャーのかかる最終局面で、両者ともにミスが続き、石川がサーブと2段トスで好機を生んだ場面もベンタラのクロスがアウト。ピアチェンツァが6回目のマッチポイントを逃した後、ペルージャはこの日17本目のブロックをジャンネッリが決め、逆転で握ったマッチポイントをセメニウクのノータッチエースで仕留めて辛くも勝利。今季リーグを3位で終え、来季CLへの出場権を掴み取った。
 
 石川は、第2セット10-10から試合終了までコートに立ち続け、チーム最多18得点(アタック17、ブロック1)を記録。チームトップのアタック決定率63%をマークした攻撃と献身的な守備で流れを呼び込んだパフォーマンスが高く評価され、今季リーグ通算6度目のMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞して国内ラストマッチを締めくくった。

 優勝候補の筆頭と目されていたペルージャだったが、準決勝で2先勝の後に3連敗の大失速。決勝への道を閉ざされた落胆は相当だったはずだ。連覇を目指すクラブを新天地に選んだ石川が抱えた無念も計り知れない。そんな状況下でも、迎えた最終戦でらしさを詰め込んだ圧倒的なパフォーマンスを見せつけられたのは、人知れず重ねた努力の賜物に違いない。

 石川が高校時代からケアを一任する専属トレーナーの野口嵩広氏(スポーツケアルーム代表)。プレーオフのためペルージャ入りして寝食をともにし、決して晴れやかではなかった日々も背番号14を誰よりも近くで見守り続けた人物は、最終戦を見届けた後に思いの丈を次のように言葉にした。
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