対抗格には2頭、ソールオリエンス(牡5歳/美浦・手塚貴久厩舎)と、ロードデルレイ(牡5歳/栗東・中内田充正厩舎)をピックアップする。
ソールオリエンスはご存知のように、名うての道悪巧者。重馬場の皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)を勝ち、同じく重馬場で行なわれた昨年の宝塚記念も7番人気の低評価を覆して2着に食い込んでいる。長く勝ち星から遠ざかり、近走もいま一つの成績が続くが、追い切りでは3頭併せで迫力に満ちた脚捌きを披露した。父はダービー馬クロワデュノールを出して勢いに乗るキタサンブラック。道悪の予想で人気は上がりそうだが、それでも本馬は外せない。
ロードデルレイは、大阪杯でベラジオオペラの2着に健闘。近3走を2着、1着、2着として、いよいよトップクラスへの仲間入りを果たしたと言っていいだろう。阪神コースの成績も〔1・1・0・1〕と問題なく、道悪に関しても、父は道悪巧者を多く出しているキングカメハメハの直仔、ロードカナロアであることに加え、母のデルフィーノ(父ハーツクライ)も現役時代に重馬場と稍重馬場で各1勝を挙げており、血統の字面からはこなせると判断できる。手綱が乗り慣れ川田将雅騎手に戻るのも好材料と言っていいだろう。
今年の出走馬で、一番悩ましいのはレガレイラ(牝4歳/美浦・木村哲也厩舎)の存在だ。牝馬ながら一昨年のホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)を制し、3歳にして昨年末の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)に優勝した実績は文句なし。父スワーヴリチャード、母の父ハービンジャーともに、産駒には時計がかる馬場を得意とするものが多く、血統面での不安も少ない。初の阪神コースとなるが、右回りで直線の急坂があるという意味では、中山でGⅠを2勝している本馬には向いていると推察できる。まさに強調材料には事欠かない、という印象である。
それでも強く推し切れないのは、ひとえに骨折(右前肢の剥離骨折)による長期休養明けというマイナス材料に尽きる。調教技術の飛躍的な向上により長期休養明けでいきなり勝利を挙げる馬が増えたのはご承知の通りで、先週も約6か月ぶりの実戦となったジャンタルマンタルが安田記念(GⅠ)を制したばかりである。
ただし、こと骨折による休養となれば話は別で、近年では昨年のスプリンターズステークス(GⅠ)を約6か月ぶりの復帰戦で制したでルガルのケースがある程度で、非常にレアなケース。よって今回は主力に推すことは避け、押さえとしての評価にとどめておく。
さて、混戦が予想される今年は、押さえ評価の馬を幅広く流して高配当を狙いたいところだ。
一昨年の菊花賞馬であり、昨年のジャパンカップ(GⅠ)2着、前走のドバイシーマクラシック(GⅠ)を3着としたドウレッツァ(牡5歳/美浦・尾関知人厩舎)。昨年の菊花賞馬で、日経賞(GⅡ)の3着を経て参戦するアーバンシック(牡4歳/美浦・武井亮厩舎)。稍重の洋芝というタフな条件の函館記念(GⅢ)を制した経験を持ち、昨年の大阪杯、ブリーダーズカップ・ターフ(GⅠ、デルマー・芝12ハロン)で2着したローシャムパーク(牡6歳/美浦・田中博康厩舎)。昨年、不良馬場だったアメリカJCC(GⅡ)を制しており、稍重の日経賞2着を経て参戦する道悪巧者のチャックネイト(せん7歳/美浦・堀宣行厩舎)。ここまでを、連下に関して一考に値する馬として挙げておきたい。
文●三好達彦
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ソールオリエンスはご存知のように、名うての道悪巧者。重馬場の皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)を勝ち、同じく重馬場で行なわれた昨年の宝塚記念も7番人気の低評価を覆して2着に食い込んでいる。長く勝ち星から遠ざかり、近走もいま一つの成績が続くが、追い切りでは3頭併せで迫力に満ちた脚捌きを披露した。父はダービー馬クロワデュノールを出して勢いに乗るキタサンブラック。道悪の予想で人気は上がりそうだが、それでも本馬は外せない。
ロードデルレイは、大阪杯でベラジオオペラの2着に健闘。近3走を2着、1着、2着として、いよいよトップクラスへの仲間入りを果たしたと言っていいだろう。阪神コースの成績も〔1・1・0・1〕と問題なく、道悪に関しても、父は道悪巧者を多く出しているキングカメハメハの直仔、ロードカナロアであることに加え、母のデルフィーノ(父ハーツクライ)も現役時代に重馬場と稍重馬場で各1勝を挙げており、血統の字面からはこなせると判断できる。手綱が乗り慣れ川田将雅騎手に戻るのも好材料と言っていいだろう。
今年の出走馬で、一番悩ましいのはレガレイラ(牝4歳/美浦・木村哲也厩舎)の存在だ。牝馬ながら一昨年のホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)を制し、3歳にして昨年末の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)に優勝した実績は文句なし。父スワーヴリチャード、母の父ハービンジャーともに、産駒には時計がかる馬場を得意とするものが多く、血統面での不安も少ない。初の阪神コースとなるが、右回りで直線の急坂があるという意味では、中山でGⅠを2勝している本馬には向いていると推察できる。まさに強調材料には事欠かない、という印象である。
それでも強く推し切れないのは、ひとえに骨折(右前肢の剥離骨折)による長期休養明けというマイナス材料に尽きる。調教技術の飛躍的な向上により長期休養明けでいきなり勝利を挙げる馬が増えたのはご承知の通りで、先週も約6か月ぶりの実戦となったジャンタルマンタルが安田記念(GⅠ)を制したばかりである。
ただし、こと骨折による休養となれば話は別で、近年では昨年のスプリンターズステークス(GⅠ)を約6か月ぶりの復帰戦で制したでルガルのケースがある程度で、非常にレアなケース。よって今回は主力に推すことは避け、押さえとしての評価にとどめておく。
さて、混戦が予想される今年は、押さえ評価の馬を幅広く流して高配当を狙いたいところだ。
一昨年の菊花賞馬であり、昨年のジャパンカップ(GⅠ)2着、前走のドバイシーマクラシック(GⅠ)を3着としたドウレッツァ(牡5歳/美浦・尾関知人厩舎)。昨年の菊花賞馬で、日経賞(GⅡ)の3着を経て参戦するアーバンシック(牡4歳/美浦・武井亮厩舎)。稍重の洋芝というタフな条件の函館記念(GⅢ)を制した経験を持ち、昨年の大阪杯、ブリーダーズカップ・ターフ(GⅠ、デルマー・芝12ハロン)で2着したローシャムパーク(牡6歳/美浦・田中博康厩舎)。昨年、不良馬場だったアメリカJCC(GⅡ)を制しており、稍重の日経賞2着を経て参戦する道悪巧者のチャックネイト(せん7歳/美浦・堀宣行厩舎)。ここまでを、連下に関して一考に値する馬として挙げておきたい。
文●三好達彦
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