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【名馬列伝】大種牡馬サンデーサイレンス「最初の大物」バブルガムフェロー 3歳馬にも門戸解放された天皇賞で完遂した革新的“GⅠ挑戦ローテ“

三好達彦

2025.07.28

 迎えた1996年、3歳の初戦は皐月賞トライアルのスプリングステークス(GⅡ、中山・芝1800m)。単勝オッズは1.5倍、もちろん断トツの1番人気だった。これまでとは打って変わって中団の後ろ目からの追走となったバブルガムフェローだが、直線でゴーサインを出されると鋭い末脚を繰り出し、チアズサイレンスとの叩き合いを半馬身制して勝利。連勝記録を4に伸ばすと同時に、来る皐月賞(GⅠ)に最も近い馬と、関係者のみならず、ファンにも認識されることになった。

 しかし、好事魔多し。バブルガムフェローは皐月賞の1週前追い切りを行なった後に、右前肢の第1趾節種子骨を骨折していたことが判明。全治6か月とされ、目前の皐月賞はもちろんのこと、日本ダービー(GⅠ)への出走も不可能になってしまった。

 ちなみにバブルガムフェローのいない皐月賞は、サンデーサイレンス産駒のイシノサンデーが優勝。同じく日本ダービーはカーリアン(Caerleon)の仔で、持込馬のフサイチコンコルドが制したが、2着は1番人気で臨んだサンデーサイレンス産駒のダンスインザダークが入った。
 
 骨折したバブルガムフェローだが、負傷箇所の治癒は予想以上に早く、8月末にはトレセンへ帰厩。その段階で陣営から発表された秋の目標は天皇賞(GⅠ)だった。距離適性を考慮して菊花賞(GⅠ)へは向かわず、適距離の2000m戦で古馬の胸を借りる方を選んだのだ。

 ちなみに前年、皐月賞を制したサンデーサイレンス産駒のジェニュインが天皇賞(秋)に臨み、サクラチトセオーのハナ差2着に食い込んでおり、3歳のトップホースで古馬と互角に戦えることは証明されていた。しかし、それでも1937年のハッピーマイト以来3歳馬による天皇賞(秋)制覇が途絶えているのは厳然たる事実(注:1938~1986年の間は3歳馬の出走が許されていなかった)。バブルガムフェローがこの壁を越えられるかどうか、ファンからは熱視線が注がれることになった。
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