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マラソン・駅伝

【生島淳が見た箱根駅伝】創価大は「人」にフォーカスした指導で2位の快挙!一方、強豪校エースたちの不発の要因とは?

生島淳

2021.01.05

10区で大逆転を演じトップでゴールテープを切った駒澤の石川(左)と、出迎えた主将の神戸(右)。写真:JMPA

10区で大逆転を演じトップでゴールテープを切った駒澤の石川(左)と、出迎えた主将の神戸(右)。写真:JMPA

 では、実際に日本選手権に選手を送り込んだ東洋大の酒井監督はどう見ているのでしょう?

「総合3位には戻ってきましたけど、日本選手権で10000mに出場して、今回は7区を走った西山(和弥・7区区間12位)がもう少し走っていれば、駒大といい勝負が出来た可能性はありますよね。たしかに、スピードとスタミナの両立が難しいのは、ニューイヤー駅伝を見ていても感じました。ウチの西山(和弥)はともかく、駒澤の田澤(廉)君、早稲田の中谷(雄飛)君、太田(直希)君、それに中大の吉居君も力が発揮できなかったですからね。本来の仕事が出来たのは、東海の塩澤(稀夕)君、日体大の池田(耀平)君くらいじゃないですか。じゃあ、日本選手権をスキップすれば良かったかというと、それは違います。世界を見据えているからこそ、ここまで学生のレベルが上がってきたわけですから」
 
 コロナ禍のなかで日本選手権が延期となり、各大学で開かれる競技会も少ない状況で、力関係が読みづらかった今年の箱根駅伝。

 駒大大逆転! と後世には伝えられるでしょうが、様々な要素が絡んでいたことは書き留めておきたいと思います。

取材・文●生島淳

【著者プロフィール】
いくしま・じゅん/1967年気仙沼生まれ。海外ではNBAやMLB、国内ではラグビー、駅伝、野球等、幅広くスポーツを追うジャーナリスト。駅伝関係の著書には『監督と大学駅伝』(日刊スポーツ出版社)、『箱根駅伝』『箱根駅伝 新ブランド校の時代』(ともに幻冬舎新書)、『箱根駅伝 勝利の方程式』『箱根駅伝 勝利の名言』 (ともに講談社+α文庫)など多数ある。
 

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