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格闘技・プロレス

「蝶野! 俺と闘え!」――武藤敬司が引退試合で絶叫して“闘魂三銃士”の盟友を呼び込んだ理由「締めくくりは蝶野にしたかった」

どら増田

2023.02.22

 武藤はマイクを手に持つと、「武藤敬司のプロレス人生最高に幸せでした。皆さんのおかげです。自分がいなくなっても、プロレス界はばく進していきます!」と絶叫。

 だが、天才の最終章はこれで終わらなかった。「というところで、自分の足で帰れるし、エネルギーも残ってるし、まだ灰にもなってねぇや。どうしても一つだけやりたいことがあるんだよな。蝶野! 俺と闘え!」と放送席の蝶野を最後の相手にサプライズ指名した。

 ここで、「白かった」時代に愛用していたテーマ曲「FANTASTIC CITY」がヒットし、蝶野は杖をつきながらリングへ。武藤はさらに来場していたタイガー服部氏にレフェリーを依頼する“特別試合”が実現した。

 2人はロックアップで久々に手合わせをすると、蝶野がサミング、シャイニングケンカキック、STFを極めて武藤がギブアップ。武藤は引退試合で“2敗”を喫した。

 古舘伊知郎アナウンサーによる610文字の詞の朗読が終わると、現役引退を飾る10カウントゴングはなく、武藤は花道をゆっくり進んでステージで最後のプロレスLOVEポーズを決めた。
 
 バックステージに戻った武藤は「おかげ様で自分の足で帰れました。それほど悲しくもないし、ここまでの道のりの方がしんどかったな。終わってみたら、やっと終わったかなという感じ」と現役ラストマッチを振り返った。

 続けて武藤は、「もしこのあとプロレスのビジネスが落ちたら、あいつ(内藤)のせいだよ」と次世代レスラーに後を託すと、「自分のムーンサルトも飛ぶガッツがなくてね。昔、プロレスのためなら足の1本や2本あげてもいいようなことを俺は言ったけど、やっぱりあげられなかったな。俺は嘘つきだよ。躊躇しちゃったよ」と、ためらったムーンサルトプレスの場面に思いを馳せた。

 2試合目となった蝶野戦については、「デビューを一緒にやって、締めくくりはやっぱり蝶野にしたかったんだよ」と、闘魂三銃士の盟友をリングに引き上げた理由を明かしてくれた。

 武藤の引退により「猪木プロレス」は終焉を迎えたのかもしれない。

◆プロレスリング・ノア◆
『KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE~HOLD OUT~』
2023年2月21日
観衆 30096人
▼PRO-WRESTLING “LAST” LOVEシングルマッチ(60分1本勝負)
●武藤敬司(28分58秒 片エビ固め)内藤哲也○
※デスティーノ
●武藤敬司(1分37秒 STF)蝶野正洋○

文⚫︎どら増田

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