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【名馬列伝】「日本に連れて行く」名伯楽が惚れ込んだ名牝ファインモーション。産駒残せぬも、21年前の金字塔は消えず

三好達彦

2023.09.24

 ファインモーションの勢いはまだ止まらず、次走を初の古馬との対戦となるエリザベス女王杯(GⅠ、京都・芝2200m)をターゲットにした。同世代のオークス馬スマイルトゥモローや、一世代上のオークス馬レディパステルも出走したが、古馬との初対戦となるここでも単勝オッズ1.2倍を記録。ファンの支持の厚さをあらためて感じさせた。

 この日はややテンションが高めで、行きたがる素振りを見せたものの、鞍上の武が前に数頭の馬を置いた5番手あたりへと導いて落ち着かせる。その直後には名手オリビエ・ペリエが騎乗する単勝2番人気のダイヤモンドビコーが付けるという、明らかにファインモーションに奇襲をかける策をとっていた。

 そして迎えた直線。徐々に位置を上げていたファインモーションはこれまで通り早めに先頭に立つとさらに加速。直後にいたダイヤモンドビコーも懸命にスパートしたが差は詰まらず、2馬身半差(0秒4)を付けてファインモーションが圧勝。デビューから6戦目での古馬GⅠ制覇は史上最短記録であり、同じく無敗での古馬GⅠ制覇は史上初の快挙だった。

 名実ともに牝馬の頂点を極めたファインモーションは、エリザベス女王杯快勝の余勢をかって、ファン投票3位になった有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)への参戦を決定。ジャングルポケット、ナリタトップロード、エアシャカール、ヒシミラクルなど、牡馬の強豪との初対戦となったが、ここでも彼女は単勝オッズ2.6倍の1番人気に推された。

 しかしここでは、手綱を取った武が「グッと来るものがなかった」とコメントしたように終いの脚が鈍って、勝った同世代のシンボリクリスエスから0秒8差の5着に敗れ、デビュー7戦目にして初めて土が付いた。

 これは筆者の私見だが、復帰してから4カ月のあいだに5戦使った疲労の蓄積もあったのではないかと考えている。そして、ファインモーションは2002年度のJRA賞で最優秀3歳牝馬に選出された。
 
 その後、ファインモーションは2004年まで現役を続ける。その間に重賞2勝を挙げ、2003年のマイルチャンピオンシップ(GⅠ、京都・芝1600m)では僅差の2着に食い込んだが、GⅠタイトルを得ることはできなかった。

 そして引退後、伏木田牧場に繁殖牝馬として繋養されたが、なかなか受胎しないために検査をしたところ、染色体異常で妊娠が不可能であることが判明。いまは功労馬として同牧場で悠々自適の余生を過ごしている。

 産駒がターフを駆け抜けるところが見られなかったのは痛恨の極みだが、2002年の秋にファインモーションが見せた眩いばかりの輝きは色あせるものではない。(文中敬称略)

文●三好達彦

【動画】無敗で秋華賞を制覇&古馬を蹴散らしたファインモーションのエリ女をプレイバック

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