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食と体調管理

「身体が小さいから諦めて、やらないのが、一番もったいない」中村憲剛が子どもたちに伝えたいメッセージ

サッカーダイジェスト編集部

2021.11.01

現役時代は日本代表としても活躍。自らの体格や特長を理解し、“自分らしさ”を突き詰めた。(C)SOCCER DIGEST

現役時代は日本代表としても活躍。自らの体格や特長を理解し、“自分らしさ”を突き詰めた。(C)SOCCER DIGEST

――サッカーにとってスタミナ、タフさは欠かせないと思いますが、食事を摂る際に意識していたことはありますか?
 
「プロになって数年は細かく気にしていました。例えば油っぽいモノや生モノは食べないだとか、トンカツは衣を省いて食べるだとか。でも一時期、そういったことに神経質になったものの、パフォーマンスはなかなか上がらず……。そこで、食べたいものを我慢せずに、身体が欲しているモノを食べるようにしました。例えば、焼き肉を食べたくなったら、妻には申し訳なかったですが、ご飯を途中まで用意してもらっていたのに、それは翌日にいただいて、『今日は焼き肉を食べに行こう』と。
 
 食べたいということは、身体が欲しているんだと考えるようになったんです。頭の回転が遅い時にチョコを食べたいとか、喉をスカッと潤したいと思った時は炭酸水を飲むとか……。全部、思った時に口にするようにしました。そうして我慢するストレスを極力、減らしたら、自然とパフォーマンスが上がったんです。それは30歳手前あたりからですかね。だからお菓子も普通に食べていました。
 
 ただ……、ですよ。当たり前ですが、量は考えなくちゃいけません。好きなモノばかり食べるのではなく、大事なのは適量を守ることです。そして我慢せずに好きなモノを少し食べ、幸福感を得るやり方が、自分には合っていたと思います。これは人それぞれなので、合う人と合わない人がいます。中村憲剛としては我慢するやり方と、好きなモノを食べるやり方、両方を経験して比較したからこそ導かれたやり方です。
 
 だからこそ、皆さんにも自分流を見つけてもらえればと思います。僕はチームメイトによく羨ましがられました。『なんで40歳に近いのに、好きなモノ適当に食べている選手があのパフォーマンスなんですか』と(笑)。食事は大事ですが、プロにとってはパフォーマンスがなにより大切です。口にするモノを規制しすぎて、パフォーマンスが落ちたらそれこそ本末転倒です。栄養の基礎知識は学びながら、自分に合ったやり方を見つけ、パフォーマンスを向上できればベストですよね」

――憲剛さんは強いというより、柔らかくしなやかなイメージですが、ストレッチや筋トレなどで工夫していたことはありますか?
 
「現役時代、ストレッチは一日、3、4回していました。一時期、ストレッチが筋トレだと思っていたほどでした。それは言い過ぎかもしれませんが、自分の身体、筋肉をしっかりと動かせないのに、筋トレをしても仕方がないと考えていたんです。まずは可動域の100パーセント、自分の体の動く限界値までしっかり動かせるようにしてから、筋トレをきちんとやって筋肉をつけるようにしました。しなやかさを養えたのは、そういう意識があったからこそだと感じています。それと、大学生の時に筋トレをガツガツやって上手くいかなかった失敗経験があったからです。
 
 そこから学びましたが、まずはストレッチで身体を伸ばして無理がきく状態にして、筋力をつけるようにしました。だからストレッチの回数はやはり多かったですね。あとは怪我の防止でもあったので、ストレッチは基礎練習と同じくらい大切にしていました」

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