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競馬

「幻の三冠馬」と呼ばれたアグネスタキオン わずか4戦でターフを去った“超光速粒子“の異彩を放った偉大な蹄跡【名馬列伝】

三好達彦

2026.07.18

 アグネスタキオンは種牡馬入りしてもスーパーな存在となった。初年度産駒がデビューした2005からJRAリーディングフレッシュサイアーとなり、2006年と2007年にはJRA2歳リーディングサイアーの座を獲得。そして2008年にはついにJRA総合リーディングサイアーという頂点に上り詰めた。500万円からスタートした種付料は一時1200万円まで高騰。種付頭数は2008年に230頭を数えるまでの人気を博した。

 その成績の凄さは数字だけではなく、産駒の勝ち鞍にも表れている。JRAのGⅠ勝ち馬に限っても以下のラインナップとなる。

・ダイワスカーレット(有馬記念、桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)
・ディープスカイ(日本ダービー、NHKマイルカップ)
・キャプテントゥーレ(皐月賞)
・ロジック(NHKマイルカップ)
・リトルアマポーラ(エリザベス女王杯)
・レーヴディソール(阪神ジュベナイルフィリーズ)

 その他に、JRA重賞勝ち馬が27頭いるのだから、これは破格の成功というほかない。
 
 しかし、好事魔多し。2009年シーズンも例年通りに調子よく種付けをこなしていたが、6月22日、そのトップサイアーは突然、命を絶たれた。死因は急性心不全。あまりにも悔やまれる11歳での早世だった。

 競走生活からも、種牡馬生活からも、まるで自らの名のとおり“光の速さ”で去っていったアグネスタキオン(タキオン=Tachyon=超光速の粒子)。馬主の渡辺孝男、調教師の長浜彦三郎・博之親子、騎手の河内洋という伝説のトライアングルによって育まれた“アグネスの血脈”の到達点として、日本競馬に確かな足跡を残した。(文中敬称略)

文●三好達彦

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