いよいよ日本時間10月5日(現地4日)から地区シリーズが始まる。ここでは、ブルワーズ対カブスの注目ポイントを整理してみよう。
▼戦い方が酷似している両チーム
今季のブルワーズは、現代のMLBにおいてはかなり異質な戦い方で30球団最高勝率を記録した。「凡事徹底」をモットーとするパット・マーフィー監督の下、パワーよりもコンタクトと機動力を重視。30本塁打以上の打者が一人もいない代わりに、チーム打率.258はリーグ2位、出塁率.332は1位を記録した。また、10盗塁以上の選手が実に7人、164盗塁もリーグ最多を誇る。打席で粘り強さを発揮し、しぶとくバットに当てて内野安打を稼ぎ、出塁すれば足を使ってかき回すスタイルをプレーオフでも存分に発揮していきたい。
一方のカブスも、リーグ3位の223本塁打とパワーを発揮する一方で、161盗塁はブルワーズに3個差の2位と機動力も武器とする。また、ブルワーズと同じく好守も売りとしていて、特にニコ・ホーナーとダンズビー・スワンソンの二遊間、センターの“PCA”ことピート・クロウ=アームストロングのセンターラインは鉄壁だ。実際、パドレスとのワイルドカード・シリーズではスワンソンが美技を連発するなど好守が光り、ジェド・ホイヤー編成総責任者が「シリーズのMVPはディフェンス陣」と語っていたほどだった。また、カブス捕手陣の80許盗塁は30球団で3番目の少なさ。盗塁阻止能力も高い。
ブルワーズ攻撃陣の持ち味をカブス守備陣が“無力化”できるか――まずはこの点が最大のカギになるだろう。ちなみにレギュラーシーズンの対戦ではブルワーズが6勝、カブスが7勝とほぼ互角である。
▼カブス攻撃陣は“ステップ・ブラザーズ”に注目
ワイルドカード・シリーズではパドレスを相手に3試合で6得点に終わったカブス打線。地区シリーズでキーマンとなるのはずばり、PCAの鈴木誠也の仲良しコンビ“ステップ・ブラザーズ(義兄弟)”だろう。
前半戦だけで25本塁打&25盗塁をクリアし、一時は「MVPの有力候補」と言われていたPCAは、後半戦に入ると一転して絶不調に陥り、シーズン終盤は打順も下位に降格した。ワイルドカード・シリーズでも最初の2試合で計6打数0安打5三振だったが、3戦目は3安打1打点と覚醒。しかも、今季のブルワーズ戦は13試合で5本塁打、OPS1.0631と大暴れしている。不振だった後半戦でもマルチ安打を2度記録しており、かなり相性は良い。
逆に、ブルワーズを苦手としているのが鈴木誠也で、57打席で打率.120、1本塁打、OPS.428とまったく歯が立たなかった。こちらもPCAと同じく後半戦に苦しんでいたが、レギュラーシーズン最後の4試合で5本塁打。さらにワイルドカード・シリーズでも第1戦の本塁打を含めて3試合連続で長打を記録するなど好調が続いている。
ワイルドカード・シリーズ後のシャンパンファイトで熱い抱擁を交わしていた2人。このままチームをワールドシリーズまで牽引したいところだろう。
▼名将カウンセルは古巣との“因縁対決”に勝利できるか
カブスのクレイグ・カウンセル監督は、2015年途中から22年までブルワーズの指揮を執り、スモールマーケット球団を18年からの6年間で計5度プレーオフに導いた辣腕。23年オフに監督史上最高額(当時)となる5年4000万ドルでカブスへと移ったが、その後は2年連続でノートルダム大時代の師でもあるパット・マーフィー率いる古巣の後塵を拝して地区2位に終わっている。今回の対戦には内心、期するものがあるはずだ。
しかも、ブルワーズ時代のプレーオフは通算7勝12敗。地区シリーズを突破したことすら1回(18年)しかなく、それ以外はすべて初戦で敗退している。同地区のライバルに移ったことで“裏切者”扱いされているミルウォーキーでは大ブーイング必至のカウンセル監督。古巣を打倒し、壁を超えることができるのだろうか?
構成●SLUGGER編集部
【動画】鈴木誠也、プレーオフ初打席で初本塁打!
▼戦い方が酷似している両チーム
今季のブルワーズは、現代のMLBにおいてはかなり異質な戦い方で30球団最高勝率を記録した。「凡事徹底」をモットーとするパット・マーフィー監督の下、パワーよりもコンタクトと機動力を重視。30本塁打以上の打者が一人もいない代わりに、チーム打率.258はリーグ2位、出塁率.332は1位を記録した。また、10盗塁以上の選手が実に7人、164盗塁もリーグ最多を誇る。打席で粘り強さを発揮し、しぶとくバットに当てて内野安打を稼ぎ、出塁すれば足を使ってかき回すスタイルをプレーオフでも存分に発揮していきたい。
一方のカブスも、リーグ3位の223本塁打とパワーを発揮する一方で、161盗塁はブルワーズに3個差の2位と機動力も武器とする。また、ブルワーズと同じく好守も売りとしていて、特にニコ・ホーナーとダンズビー・スワンソンの二遊間、センターの“PCA”ことピート・クロウ=アームストロングのセンターラインは鉄壁だ。実際、パドレスとのワイルドカード・シリーズではスワンソンが美技を連発するなど好守が光り、ジェド・ホイヤー編成総責任者が「シリーズのMVPはディフェンス陣」と語っていたほどだった。また、カブス捕手陣の80許盗塁は30球団で3番目の少なさ。盗塁阻止能力も高い。
ブルワーズ攻撃陣の持ち味をカブス守備陣が“無力化”できるか――まずはこの点が最大のカギになるだろう。ちなみにレギュラーシーズンの対戦ではブルワーズが6勝、カブスが7勝とほぼ互角である。
▼カブス攻撃陣は“ステップ・ブラザーズ”に注目
ワイルドカード・シリーズではパドレスを相手に3試合で6得点に終わったカブス打線。地区シリーズでキーマンとなるのはずばり、PCAの鈴木誠也の仲良しコンビ“ステップ・ブラザーズ(義兄弟)”だろう。
前半戦だけで25本塁打&25盗塁をクリアし、一時は「MVPの有力候補」と言われていたPCAは、後半戦に入ると一転して絶不調に陥り、シーズン終盤は打順も下位に降格した。ワイルドカード・シリーズでも最初の2試合で計6打数0安打5三振だったが、3戦目は3安打1打点と覚醒。しかも、今季のブルワーズ戦は13試合で5本塁打、OPS1.0631と大暴れしている。不振だった後半戦でもマルチ安打を2度記録しており、かなり相性は良い。
逆に、ブルワーズを苦手としているのが鈴木誠也で、57打席で打率.120、1本塁打、OPS.428とまったく歯が立たなかった。こちらもPCAと同じく後半戦に苦しんでいたが、レギュラーシーズン最後の4試合で5本塁打。さらにワイルドカード・シリーズでも第1戦の本塁打を含めて3試合連続で長打を記録するなど好調が続いている。
ワイルドカード・シリーズ後のシャンパンファイトで熱い抱擁を交わしていた2人。このままチームをワールドシリーズまで牽引したいところだろう。
▼名将カウンセルは古巣との“因縁対決”に勝利できるか
カブスのクレイグ・カウンセル監督は、2015年途中から22年までブルワーズの指揮を執り、スモールマーケット球団を18年からの6年間で計5度プレーオフに導いた辣腕。23年オフに監督史上最高額(当時)となる5年4000万ドルでカブスへと移ったが、その後は2年連続でノートルダム大時代の師でもあるパット・マーフィー率いる古巣の後塵を拝して地区2位に終わっている。今回の対戦には内心、期するものがあるはずだ。
しかも、ブルワーズ時代のプレーオフは通算7勝12敗。地区シリーズを突破したことすら1回(18年)しかなく、それ以外はすべて初戦で敗退している。同地区のライバルに移ったことで“裏切者”扱いされているミルウォーキーでは大ブーイング必至のカウンセル監督。古巣を打倒し、壁を超えることができるのだろうか?
構成●SLUGGER編集部
【動画】鈴木誠也、プレーオフ初打席で初本塁打!
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