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高校野球

2023年の高校野球界勢力図はどうなる? 今年も軸だった大阪桐蔭の“対抗馬”を識者が徹底予想!

西尾典文

2022.11.30

大阪桐蔭の前田(中央)、仙台育英の高橋(左)、広陵の真鍋(右)。今、最も注目の逸材たちだ。写真:滝川敏之

大阪桐蔭の前田(中央)、仙台育英の高橋(左)、広陵の真鍋(右)。今、最も注目の逸材たちだ。写真:滝川敏之

 来春の選抜高校野球の前哨戦と言える明治神宮野球大会の高校の部は大阪桐蔭(大阪)の連覇で幕を閉じた。2022年の高校球界もやはり同校が中心だった印象だが、果たして2023年の勢力図はどうなるのか。全国10地区の秋季大会を現地で視察したスポーツライターの西尾典文氏に展望してもらった。
【動画】明治神宮野球大会の決勝ではリリーフに!前田悠伍の粘りの投球をチェック

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 この秋の時点で総合力が高いチームとしては今年の選抜高校野球優勝の大阪桐蔭(大阪)、夏の甲子園優勝の仙台育英(宮城)、2年連続で明治神宮大会準優勝となった広陵(広島)の3校になるだろう。

 大阪桐蔭は野手のレギュラー全員が旧チームから入れ替わったが、大型ショートの小川大地、抜群のスピードを誇る山田太成、1年生ながら中軸に座る徳丸快晴などポテンシャルの高い選手が揃っている。また、明治神宮大会では多くの選手を起用し、その中から1年生の境亮陽が大活躍を見せるなど選手層の厚さは他のチームと比べても頭一つ抜けている印象を受ける。

 そして最も大きいのが絶対的エースである前田悠伍の存在だ。近畿大会、明治神宮大会では140キロ台前半のスピードにとどまり、コントロールに苦労するシーンも目立ったが、それでも大きく崩れることがないのはさすがという他ない。試合の途中から立て直せる修正力の高さも高校生離れしたものがある。今の彼を打ち崩すチームが出てくるかというのが来年の高校球界の大きな注目ポイントの1つとなりそうだ。
 
 仙台育英は夏の甲子園でも登板した高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔の3人の力のある投手が揃い、失点が計算できるのが大きな強みだ。

 また、豊富な投手陣をリードするキャッチャーの尾形樹人、軽快な守備を見せるショートの山田脩人、広い守備範囲と俊足が光るセンターの橋本航河、小柄ながらパンチ力が光る4番の斎藤陽など野手陣も旧チームからのレギュラーが多く、経験豊富なメンバーが多いのは他のチームにはない大きなアドバンテージとなる。

 今秋はなかなか打線がつながらずに、明治神宮大会での大阪桐蔭戦でもチャンスを生かしきれない場面が目立っただけに、攻撃面をどうレベルアップさせるかが重要になるだろう。

 総合力では広陵も2校に引けを取らない。投手陣はエース格だった1年生の高尾響が故障で出遅れながらも、大型左腕の倉重聡が大きく成長。他にも力のある投手が控えている。野手もプロ注目の大型スラッガーである真鍋慧、旧チームから中心の田上夏衣を中心に強力で、足を使える選手が多いのも強みだ。神宮大会決勝の大阪桐蔭戦では記録に残らない守備のミスが痛かっただけに、この冬は守備面をしっかり強化してもらいたい。
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