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プロ野球

【中日】巻き返しを狙う男たち――怪我に苦しんだ石川昂弥と昨年のドラ1・ブライト健太の苦悩。二軍キャンプから「昇り竜」となれるか

THE DIGEST編集部

2023.02.06

今季に巻き返しを期す石川(左)とブライト(右)。ともに二軍からのスタートだ。写真:岩国誠

今季に巻き返しを期す石川(左)とブライト(右)。ともに二軍からのスタートだ。写真:岩国誠

 球春到来。各チームがキャンプインし、今年もプロ野球シーズンが始まった。一軍キャンプに抜擢されたルーキーや若手選手たちの話題に「やってくれるはず」と、胸を躍らせるファンにとっては至福の時間だろう。

 その一方で、二軍キャンプから虎視淡々と『巻き返しを狙う男たち』がいる。まずは中日・石川昂弥。今年で高卒4年目を迎える右のスラッガー候補だ。

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「(1年前とは)全然違いますね。去年は(一軍の)試合で使うとも言われていましたし、秋から体も元気だったので、技術と体力が続く限り、バットを振ってノックを受けてという感じでした」
 
 キャンプ一軍スタートだった去年、石川昂は開幕一軍を勝ち取ると4月5日のヤクルト戦で待望のプロ1号本塁打を放つ。しかし、順風満帆に見えた5月末に左膝前十字靭帯を損傷。7月に手術を行い、そのままシーズン終了を迎えることとなった。リハビリ過程にある今年は、2年ぶりとなる二軍キャンプ地・読谷町からシーズンをスタートする。

「もう膝自体はいいんですが、あとは筋肉量がまだ70パーセントぐらいな感じです。バッティングは問題なくできるのですが、半年間まともに(野球の動きを)やれなかったので、振る体力だったり、ゴロを受ける体力が本当に落ちているのは感じますね」

 別メニューとなった第1クール。守備練習では横の動きにまだ制限がかかるため、正面からのゴロ捕球のみ。本格的な内野ノックを受けるのはもう少し先のことだが、フリー打撃では柵越えを連発。打つ方では健在ぶりを見せつけ、今年も視察に訪れた清原和博氏を唸らせた。

 そんな石川昂だが、手術後のベッドから動けなかった時間は、もどかしさを感じることもあったという。

「怪我をしないに越したことはないんですが、怪我をしてしまった以上は、その中でどうプラスに考えていくのか。そこで、去年は(試合に)2ヶ月弱しか出ていないんですけど、いい時も悪い時もあったので、その中でも何が良くて何がダメだったのかを考えました。シーズン中は試合が続くので、そういうことを考える余裕はないんですが、時間はあったのでそこを考えることができました。悪いことばかりではないと思います」

 何もできないことをマイナスと捉えるのではなく、普段できなかった打撃や守備について、自分が考えていることを整理する時間にあて、プラスへと転化した石川昂。フリー打撃での豪快な柵越えも、その効果の一端かも知れない。

「焦らずに、とはよく言われるんですけど、やっぱり焦りますし、早く復帰したいという気持ちはあります。選手がいろいろ入れ替わって、自分も含めて若い選手がすごく多いので、負けないように頑張りたいです」

 チームは去年オフ、京田陽太と阿部寿樹というレギュラークラスの内野手2人をトレードで放出し、内野再編を断行した。去年は正三塁手候補だった石川昂も逸る気持ちを隠せない。

「順調に行って、3月下旬くらいに復帰できたらとは思っています。そうなるとキャンプ中に横の動きやベースランニングもできるようになっておきたいですね。そして3月には全体練習にも入って、制限なくノックを受けたり、どんどん打ったりしたい。今年、サードは(高橋)周平さんが守ると思いますが、復帰して周平さんより打って、自分が最後までレギュラーで出て、チームがAクラス入り、優勝できるように貢献したいと思います」
 
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