ロサンゼルス・クリッパーズとカワイ・レナードの周辺が騒がしい。サラリーキャップ違反の契約疑惑が浮上し、リーグも徹底調査に乗り出すことを明言している。
現代NBAを代表する2ウェイプレーヤーのレナードは、2019年7月にフリーエージェントでクリッパーズへ移籍。それまで在籍したサンアントニオ・スパーズとトロント・ラプターズでリーグ優勝を果たし、史上初となる東西両カンファレンスでファイナルMVPに輝いた。
一方で、クリッパーズ移籍以降の最多出場は2023-24シーズンの68試合。21-22シーズンは右ヒザの前十字靭帯の手術を受けた影響で全休を余儀なくされ、キャリアを通しても全82試合に出場したシーズンは一度もない。能力は申し分ないが、連戦などで意図的に休養を取るロード・マネジメントの代表格的な存在となっている。
昨季も37試合の出場(平均21.5点、5.9リバウンド、3.1アシスト)に終わったなかで、9月に入って浮上したのが、クリッパーズとレナードのサラリーキャップ違反の契約疑惑だ。
元ESPNの著名ジャーナリスト、パブロ・トーレは自身のポッドキャストにて、クリッパーズが贅沢税の支払いを回避するため、別会社からレナードにサラリーを支払っていたと報道。
具体的には、チームオーナーである投資家のスティーブ・バルマーが出資していたカリフォルニア州のサステナビリティ事業会社アスピレーションが、22~25年にクリッパーズでプレーすることを条件に、レナードの個人会社に対して総額2800万ドル(約41億4000万円)の報酬を支払ったと、同社の元従業員の告発を伝えた。
レナードが実際に同社の広告活動を行なった実態はない。NBAではスポンサー契約を装った実質的な裏払いは規則違反にあたる可能性がある。契約条項には「会社の要求を拒否しても報酬が支払われる」との文言が含まれていたとされ、PR活動を行なわずとも金銭が支払われる異例の契約形態だった。
過去には、ミネソタ・ティンバーウルブズが1990年代後半にジョー・スミスとの密約でサラリーキャップ違反を犯し、罰金や複数年のドラフト指名権剥奪といった重罰を受けた前例もある。
クリッパーズは即座に疑惑を否定したが、NBAコミッショナーのアダム・シルバーはリーグ理事会終了後の会見で、リーグとして徹底調査することを明言した。
元NBA選手のアリナスは自身のXで、「正直、今回の一件で、スーパースターはもう二度とあの(クリッパーズの)ユニフォームに袖を通さないだろう」と持論を展開した。
「ファイナルMVP(レナード)を反面教師に変えてしまった。クリッパーズは正式にビッグネームの墓場になった」
今でこそプレーオフ常連の強豪となったクリッパーズだが、かつてはドアマットチームだった歴史を持つ。レナードはラプターズで優勝した19年オフ、自らクリッパーズに移籍することを選んだ。
アリナスは「カワイをこんな風に扱うなんて。彼は自発的にクリッパーズに来た唯一のスーパースターだ」と指摘する。
「あんなに偉大な選手に(クリッパーズの)ユニフォームを着せる話になったんだから、その代償は受け入れないといけない。これで関係を終わらせようとしても、金で歴史を変えることはできない。重要なのはレガシーの問題だ。彼の名誉を傷つけて追い出したら、他の多くのフリーエージェント選手の移籍を躊躇するだろう」
レナードのほか、ジェームズ・ハーデン、ブラッドリー・ビール、クリス・ポールとスーパースターを擁するクリッパーズだが、今回の問題がフランチャイズの今後に影を落とす可能性もありそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
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一方で、クリッパーズ移籍以降の最多出場は2023-24シーズンの68試合。21-22シーズンは右ヒザの前十字靭帯の手術を受けた影響で全休を余儀なくされ、キャリアを通しても全82試合に出場したシーズンは一度もない。能力は申し分ないが、連戦などで意図的に休養を取るロード・マネジメントの代表格的な存在となっている。
昨季も37試合の出場(平均21.5点、5.9リバウンド、3.1アシスト)に終わったなかで、9月に入って浮上したのが、クリッパーズとレナードのサラリーキャップ違反の契約疑惑だ。
元ESPNの著名ジャーナリスト、パブロ・トーレは自身のポッドキャストにて、クリッパーズが贅沢税の支払いを回避するため、別会社からレナードにサラリーを支払っていたと報道。
具体的には、チームオーナーである投資家のスティーブ・バルマーが出資していたカリフォルニア州のサステナビリティ事業会社アスピレーションが、22~25年にクリッパーズでプレーすることを条件に、レナードの個人会社に対して総額2800万ドル(約41億4000万円)の報酬を支払ったと、同社の元従業員の告発を伝えた。
レナードが実際に同社の広告活動を行なった実態はない。NBAではスポンサー契約を装った実質的な裏払いは規則違反にあたる可能性がある。契約条項には「会社の要求を拒否しても報酬が支払われる」との文言が含まれていたとされ、PR活動を行なわずとも金銭が支払われる異例の契約形態だった。
過去には、ミネソタ・ティンバーウルブズが1990年代後半にジョー・スミスとの密約でサラリーキャップ違反を犯し、罰金や複数年のドラフト指名権剥奪といった重罰を受けた前例もある。
クリッパーズは即座に疑惑を否定したが、NBAコミッショナーのアダム・シルバーはリーグ理事会終了後の会見で、リーグとして徹底調査することを明言した。
元NBA選手のアリナスは自身のXで、「正直、今回の一件で、スーパースターはもう二度とあの(クリッパーズの)ユニフォームに袖を通さないだろう」と持論を展開した。
「ファイナルMVP(レナード)を反面教師に変えてしまった。クリッパーズは正式にビッグネームの墓場になった」
今でこそプレーオフ常連の強豪となったクリッパーズだが、かつてはドアマットチームだった歴史を持つ。レナードはラプターズで優勝した19年オフ、自らクリッパーズに移籍することを選んだ。
アリナスは「カワイをこんな風に扱うなんて。彼は自発的にクリッパーズに来た唯一のスーパースターだ」と指摘する。
「あんなに偉大な選手に(クリッパーズの)ユニフォームを着せる話になったんだから、その代償は受け入れないといけない。これで関係を終わらせようとしても、金で歴史を変えることはできない。重要なのはレガシーの問題だ。彼の名誉を傷つけて追い出したら、他の多くのフリーエージェント選手の移籍を躊躇するだろう」
レナードのほか、ジェームズ・ハーデン、ブラッドリー・ビール、クリス・ポールとスーパースターを擁するクリッパーズだが、今回の問題がフランチャイズの今後に影を落とす可能性もありそうだ。
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