ファインプレーに見せないのが本当のファインプレー。プロの世界では時にそんな風な謂(いわ)れがある。それは、守備だけではなく、走塁、ピッチングなど多岐にわたり、数字には見えないスーパープレーこそ、至福の時である。
2020年の春季キャンプを取材していると、そんなプロフェッショナルを感じるプレーを見せた、レギュラー以前の選手を見た。
レギュラーとなれば、将来的にはゴールデン・グラブ賞獲得が視野に入ると思わせたのが中日の石川駿内野手だ。彼のファーストの守備はあまり取り上げられることがない地味なものだったが、隠れたファインプレーで魅了した。
内野手からの送球が乱れてもアウトにできる。石川が優れていたのは捕球技術だ。
ある練習試合で強めの送球がベースの3~4m手前でバウンドしてしまうことがあった。ファーストにとって最も難しいハーフバウンドとなったがこれを見事にすくい上げた。また別の試合では、頭上右側にそれた送球を見事に掴んでアウトにした。確実な捕球を目指すならベースから足が離れてしまい、触塁を優先させれば後ろに逸らしてしまう。2つのミスの可能性があったところを、石川はベースを踏むのではなく触れる程度にしながら、グラブのウェブの部分でボールをつかみアウトにした。
味方の記録に残らないミスをカバー。昨季はファームで首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得した6年目の選手。アマチュア時代はセカンドを守っておりファースト歴は浅いはずだが、全くそのことを感じさせないプレーにプロフェッショナルの一面を見た。
高い走塁センスを披露したのがDeNAのルーキー・森敬斗だった。
2月21日に行われた中日との練習試合(ファーム)で第1打席に安打を放つと、すかさず盗塁を決めた。そして、見せ場は次打者の放ったピッチャー返しのショートゴロだ。
内野ゴロ時の二塁走者の判断は右方向ならゴー、ピッチャーから左はボールが内野を抜けてから判断するというのがセオリーだが、この時の森は、ショートゴロだったにもかかわらず、判断良くスタートを切り3塁へ進んだ。
この走塁を成立させるためには打球がホームとマウンドの中間に来た辺りで判断しなければならない。走塁の上手い選手が弱い当たりのサードゴロやショートゴロで進塁することは珍しいことではないが、ピッチャー返しの打球でとなると難易度は上がる。教えられたからといって誰もが出来ることではないのだ
走塁は興味を持たないとうまくならないものだが、森は俊足という持って生まれた才能に頼ることなく、武器をきちんと磨いている。メディアに取り上げられるのは何本安打を放ったかという打撃中心となりがちだが、走塁での高いポテンシャルには期待できると言えよう。
2020年の春季キャンプを取材していると、そんなプロフェッショナルを感じるプレーを見せた、レギュラー以前の選手を見た。
レギュラーとなれば、将来的にはゴールデン・グラブ賞獲得が視野に入ると思わせたのが中日の石川駿内野手だ。彼のファーストの守備はあまり取り上げられることがない地味なものだったが、隠れたファインプレーで魅了した。
内野手からの送球が乱れてもアウトにできる。石川が優れていたのは捕球技術だ。
ある練習試合で強めの送球がベースの3~4m手前でバウンドしてしまうことがあった。ファーストにとって最も難しいハーフバウンドとなったがこれを見事にすくい上げた。また別の試合では、頭上右側にそれた送球を見事に掴んでアウトにした。確実な捕球を目指すならベースから足が離れてしまい、触塁を優先させれば後ろに逸らしてしまう。2つのミスの可能性があったところを、石川はベースを踏むのではなく触れる程度にしながら、グラブのウェブの部分でボールをつかみアウトにした。
味方の記録に残らないミスをカバー。昨季はファームで首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得した6年目の選手。アマチュア時代はセカンドを守っておりファースト歴は浅いはずだが、全くそのことを感じさせないプレーにプロフェッショナルの一面を見た。
高い走塁センスを披露したのがDeNAのルーキー・森敬斗だった。
2月21日に行われた中日との練習試合(ファーム)で第1打席に安打を放つと、すかさず盗塁を決めた。そして、見せ場は次打者の放ったピッチャー返しのショートゴロだ。
内野ゴロ時の二塁走者の判断は右方向ならゴー、ピッチャーから左はボールが内野を抜けてから判断するというのがセオリーだが、この時の森は、ショートゴロだったにもかかわらず、判断良くスタートを切り3塁へ進んだ。
この走塁を成立させるためには打球がホームとマウンドの中間に来た辺りで判断しなければならない。走塁の上手い選手が弱い当たりのサードゴロやショートゴロで進塁することは珍しいことではないが、ピッチャー返しの打球でとなると難易度は上がる。教えられたからといって誰もが出来ることではないのだ
走塁は興味を持たないとうまくならないものだが、森は俊足という持って生まれた才能に頼ることなく、武器をきちんと磨いている。メディアに取り上げられるのは何本安打を放ったかという打撃中心となりがちだが、走塁での高いポテンシャルには期待できると言えよう。