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プロ野球

阪神新助っ人アルカンタラは“ビシエド級”の人格者!? 成功のカギは「家族のような接し方」にあり

THE DIGEST編集部

2020.12.24

阪神への入団が決まったアルカンタラ。彼の成功のためには、ある一つの「対応」がポイントになるかもしれない。(C)Getty Images

阪神への入団が決まったアルカンタラ。彼の成功のためには、ある一つの「対応」がポイントになるかもしれない。(C)Getty Images

 タイガースにまたも“大物助っ人”が加わった。阪神は23日、今季韓国プロ野球(KBO)で20勝2敗、防御率2.54、198.2回、182奪三振を記録して最多勝に輝いたラウル・アルカンタラと契約合意したことを発表した。

 ドミニカ共和国出身の右腕は2016年にオークランド・アスレティックスでメジャーデビュー。メジャーでは活躍できなかったものの、昨季より移籍した韓国で自慢の剛速球とスライダー、チェンジアップを磨き上げて今季の飛躍につなげ、日本球界への“挑戦”を果たすことになった。阪神はアルカンタラの他にも、今季KBOで本塁打&打点王に輝いたメル・ロハスJr.も獲得しており、韓国野球を席捲した投打の助っ人の活躍が注目される。

 もっともご承知の通り、特に助っ人外国人選手の成否は、過去の実績だけではまったく分からない。日本プロ野球に、そして日本という環境にどれだけ“適応”できるのかがカギを握るわけである。しかし、今回阪神に加わったアルカンタラに関して言えば、少なくとも「性格面」は“日本向き”と呼べる人材かもしれない。
 
 先月19日、アルカンタラはKBO最優秀投手に贈られる崔東原(チェ・ドンウォン)賞を受賞した。彼の成績を考えれば納得の選出ではあるが、現地メディアも驚いたのが、アルカンタラがトロフィーをもらいにわざわざ式典に駆け付けたことである。この時、彼は韓国シリーズ(いわゆる日本シリーズ)の真っただ中だった。韓国野球の頂点を決める戦いに集中するのが普通だろうが、アルカンタラにとっては違ったのである。

「こんな素晴らしい賞をいただけて本当に光栄です。球団、コーチ、チームメイト、家族に感謝を述べたいと思います」とアルカンタラ。さらにこう続けた。「崔東原賞に選ばれた初のラテンアメリカ選手となれて、改めて光栄な思いなのです。確かに僕はいま韓国シリーズを戦っていますが、(初の選手だからこそ)絶対にこの場で受け取りたいと思いました」

 このエピソードを聞いて、最初に思い浮かんだのが中日の一塁手、ビシエドだ。“エル・タンケ”(ビシエドの愛称)は昨年の『NPBアワード』にて、外国人選手が軒並みVTR出演をする中、ただ一人出席して大きな話題を呼んだ。式典前には納会やファン感謝祭にも顔を見せるなど、助っ人では異例の“神対応”をして中日ファンの心をつかんだのは記憶に新しいだろう。
 
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