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プロ野球

データが示唆する巨人の“投壊”危機――リリーフ陣が抱える2つの重大な問題とは?<SLUGGER>

巨人ファンによるデータ至上主義論

2021.05.28

中川をはじめ、今季の巨人リリーフ陣は今一つピリッとしない。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

中川をはじめ、今季の巨人リリーフ陣は今一つピリッとしない。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 リーグ3連覇、そして2012年以来の日本一を目指してオフに大型補強を展開した巨人。開幕前は首位独走も予想されたが、5月27日時点で首位に3.5ゲーム差の2位と、ファンが思い描いた理想とは少し離れた位置にいる。さらに開幕からわずか2か月で、すでにチームには“投壊”の足音が忍び寄っている。

 4月は先発陣の奮闘が目覚ましかった。月間のチームQS(クオリティ・スタート)率は驚異の73%となったが、5月に入ると状況は一変する。ブレイクが期待された今村信貴、高橋優貴が調子を落とし、エースの菅野智之も右ヒジの異常で離脱した結果、月間チームQS率は47%(27日終了時点)まで落ちたのである。
 
 先発が不調であれば、当然リリーフ陣が頑張らなくてはいけないが、そちらも開幕からピリッとしない。救援防御率はリーグ4位の3.78と先発の不調をカバーしているとは言い難いのだ。

 それでもアメリカの市民権取得のため一時帰国していたデラロサが復帰して、勝利の方程式の形は整った感もある。ここから何とか投手陣を立て直して阪神を追撃したいところだが、今の巨人リリーフ陣には2つの重大な問題が生じている。

 一つはファームの人材が枯渇している点だ。現状では、鍬原拓也や谷岡竜平が連日のように投げていて、リリーフに出てくる顔ぶれが毎日ほぼ同じ。起用法に多様性を持たせられるほどの人材がいないだけでなく、そもそも一軍に昇格させられるほどの力を持つ投手も見当たらない。昨年は一軍登板5試合、今季もこれまでに二軍で4試合しか投げていない沼田翔平の昇格を考えても、状況は想像以上に深刻だ。
 
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