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侍ジャパンを最警戒!? MLB9球団が熱視線送る“韓国球界の至宝”がWBC必勝宣言「必ず倒さなければ」

THE DIGEST編集部

2023.02.21

今オフメジャー挑戦を表明しているイ・ジョンフ。巧みな打撃はWBCで対戦する日本にとっても警戒が必要だ。(C)Getty Images

 韓国球界の至宝は、己のバットで未来を切り開こうとしている。

 3月8日から開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。1次ラウンドのプールBに入っている日本は、来るべき決戦に備え、宮崎県で強化合宿を行なっている。メジャーリーガーのダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が合宿初日からフル参戦したこともあり、連日多くの野球ファンが訪れ、侍ジャパンの練習は日増しに熱を帯びている。

 一方、初の世界一を目指す韓国代表も準備に余念がない。とりわけ現在の韓国球界で「最高の打者」と称されるイ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ)はWBCに向け、「すべての代表戦は同じ気持ちで準備してきたが、今大会はより特別だ」と並々ならぬ思いを母国メディアに語っている。

 昨シーズンのイ・ジョンフは、まさに圧巻と言えるスタッツを残した。打率.349、出塁率.421、長打率.575、23本塁打、113打点。文句のない図抜けた成績を残し、満場一致で韓国野球機構(KBO)のMVPに輝いた。

 現在、WBC韓国代表のトレーニングが行なわれている米国アリゾナ州ツーソンで汗を流している。興味深いのは、毎日メジャーリーグのスカウトたちが、イ・ジョンフの視察に訪れているという点だ。

 韓国の日刊紙『中央日報』によると、最初はシカゴ・カブスのスカウトだけだったが、日を重ねる事にサンフランシスコ・ジャイアンツ、ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、テキサス・レンジャーズなど、今ではなんとMLB9球団のスカウトが観客席の一角を占領しているというのだ。

 また、日刊紙『The Korea Times』は多くのMLBスカウトが集結したことをふまえ、「メジャーリーグで活躍する投手やMLBで通用する打者が多数出場するWBCはイ・ジョンフにとって絶好の品評会となる可能性がある」と言及している。
 
 イ・ジョンフは昨年12月にメジャー移籍を公言。今シーズン終了後にはポスティングシステムを利用しメジャーの門を叩く意向を明らかにしている。

 現地メディアも韓国球界の至宝の動向には熱視線を注いでおり、米紙『New York Post』のジョエル・シャーマン記者は、「1次ラウンドから注目すべき理由」としてイ・ジョンフをクローズアップ。さらに、藤浪晋太郎をオークランド・アスレティックスへ電撃入団させた敏腕代理人スコット・ボラス氏と契約を結んだことも米国進出に拍車をかけている。

 周囲が騒ぎ立てるなか、イ・ジョンフは冷静に「まずは(準決勝ラウンドの)アメリカに戻って来ることが最大の目標だ」と母国メディアに語る。

 そのためには「初戦のオーストラリアを必ず倒さなければならない。次の対戦相手が日本であることを考えると、必ず勝たなければならない」と言うイ・ジョンフは、まず初戦必勝を誓い、1次ラウンド最大の山場である第2戦の日本戦に弾みをつけたいと意気込んでいる。

 今大会は、代表チームの主軸打者として迎えるイ・ジョンフ。侍ジャパンと対戦するWBCでの活躍次第では、一気に己の価値が跳ね上がる可能性も秘めているだけに、韓国の至宝のパフォーマンスには大いに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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